スマートフォン版に切り替える
Check!【無料セミナー】社員がイキイキする職場にしませんか?

就業規則の記載例88連発!

就業規則を見直し続けなければいけない理由

自分の会社の就業規則、見た事ありますか?

そもそも就業規則とは何なのでしょう。

労働基準法では、従業員10人以上になったら就業規則を作成し届け出なければならないとされています。

就業規則には、必ず記載されなければならない内容も決められています。

でも法律で決められているから用意するだけでいいものでしょうか。

就業規則は、会社のルールブックです。

会社と社員との間で、働く上で守らなければならない事、やってはいけない事、などのルールを明らかにしたものです。

守るべき事だけではなく、会社の考え・方針や、会社として積極的にやって欲しい事なども、しっかり伝えていくものとして上手く活用できると考えています。

会社はなま物ですから、世の中の動向に合わせて様々に変化していきます。

関係する法律も改正されたり、行政通達が出されたり、裁判の判例により解釈が変わってきたりします。

ルールブックである就業規則も、会社の方針や施策・法改正や解釈の変更に合わせて変わっていくべきものであり、変えていかなくてはいけないのです。

企業の立場からみれば、労働法令は労働者保護の立場にたっていますので、会社を守ってくれるものではありません。

しかし法律を理解し自社の運用に合わせていかないと、いつ何時、社員から訴えられるか分からないという時代にもなっているのです。

既成のもので取りあえず用意して届け出しておく、ひな型を利用して取りあえず用意しておく、では会社を守ることは決してできません。

働く社員も納得できる就業規則でないと、結局は会社を守ることもできないのです。

ぜひ会社のルールブックである就業規則を上手く活用し、会社を成長させ、社員も元気に活躍できる仕組み作りをしてほしいと考えています。

▲このページのトップへ

労働トラブルが増え、就業規則の役割が重要になってきている

●スペシャリスト、即戦力というものの。。。

就業環境での特徴として、雇用が多様化し個別化している傾向があります。

会社としてみれば、社内事情を理解しマネジメントが得意なゼネラリストは欲しいものの、各分野で活躍して欲しいスペシャリストも求めています。
それも即戦力として期待したいのです。

現実には、即戦力として活躍してくれる社員はめったになく、多くは実力を発揮してくれるまで一定期間を必要とします。

一定期間を必要とする場合、その間に、会社の期待度にもブレが出てきますし、社員の側も「こんなはずじゃなかった」「自分はもっと活躍できるはず」と不満が溜まってくることがあります。

こういった人材に会社が対応を誤ると、さまざまな問題を引き起こす危険性をはらんでいるのです。

●非正規社員の比率が高い

雇用形態が多様化する=正社員以外に、契約社員やアルバイト・パートの活用が増えてきます。

また最近では、育児休業後に短時間社員として勤務するなど、雇用形態以外にも働き方そのものが多様化してきています。

会社は人件費を調整する方法の一つとして、正社員以外の期間雇用者を活用し、業務の繁閑に応じて対応人数を調整したり、業務内容に応じて必要スキルを保有している人材を一定期間活用したりします。

期間雇用者の中には、正社員と同じか、または正社員以上に能力もあり実際に働いているケースもあります。
そうなると、期間雇用者であるという雇用の不安を抱えつつ、一方で正社員と同じ仕事をしているのに待遇に差があると、不満を抱える者が出てきたりします。

雇用形態の多様化が進むと、会社側としては、会社固有のスキルや知識の継承ができにくくなり、職場に一体感がなくなったり、社員の流動化が進み採用コストや教育コストがかさむという問題も生じてきます。

●企業内組合の現象、ユニオン加入の急激な増加

労働組合の推定組織率は、H22年度調査で18.5%と、前年横ばい、329組合減少と減少傾向が続いています。

一方パートタイム労働者の組合員数は年々増え続け、H22年度調査では72万人が加入し、組織率も5.6%となっています。

対して、労働者個人が自由に加盟できる、いわゆる「ユニオン」は増加傾向にあり、様々な業種・業態で組合が結成されています。

これらの動きから、従来のように会社と労働組合が団体交渉によって労働条件を決定するという、集団的労使関係のシステムが機能しなくなってきており、その結果として、労働者個人が、自身で様々な知識を得て、場合によってはユニオンへ加入し、果ては労働基準監督署へ訴え出ることにより、自分の労働条件を正常化・正当化しようとしているといえます。

これにプラスして、個別労働関係紛争解決促進法や労働審判法などを施行し、行政側も労働トラブル解決の場を整備し、スピーディーに解決しようとしています。

実際に行政の紛争解決手段の利用は増えており、H22年度の個別労働紛争相談件数で24万件、あっせん申請で6400件、労働審判は3400件の申し立てが行われています。

これらいずれの場面でも就業規則が必要となり、また就業規則の内容が問われているのです。

▲このページのトップへ

実は会社が労働トラブルが起きるようにしていることもある

いろいろな考え方・価値観をもった社員、正社員・契約社員・パートアルバイトと様々な雇用形態の社員がいる職場では、通り一遍の対処だけでは労働トラブルを防ぐことはできません。

また労働各法に関する多くの情報や解説などが、インターネット上で、いつでもどこでも誰でも収集をし、自身に都合よく解釈し、会社に対して訴えをしてくるようになりました。

従来の考え方・価値観では、労働トラブルへの対処はできなくなっています。

とは言うものの、労働トラブルの実際では「言った・言わない」「聞いた・聞いてない」「労働条件がどうなっているのかさっぱり分からない」「就業規則にあることと実際とはまったく違っている」といった話が多いのです。

つまり、労働条件や就業ルールが適当だったり、明確になってなかったり、就業規則が手元にあっても見直しがされてなかったり、あっても社員に見せれらないものだったりという状態がために、労働トラブルが起きているのです。

社員が一方的にトラブルを起こしていると思いがちですが、会社がトラブルが起きるような状況にしているともいえるのです。

では会社はどう対処していくべきでしょう。

まずは就業規則を用意する、それも巷に出回っている「ひな型」をそのまま使うのではなく、自社の価値観や考え方を盛り込み、就業ルールを分かりやすく明確にしたものを作成する必要があります。

就業規則は法律で決まっている内容を盛り込まなくてはいけませんが、それ以外に制限があるものではありません。

堅苦しい表現では社員に伝わらないと感じた場合は、分かりやすい表現に置き換えてみたり、「です・ます調」の表現でも構わないです。

何度も言いますが、就業規則は会社のルールブックです。

「社員にはできる限り見せたくない」という就業規則では、労働トラブルが増えることはあっても、残念ながら減ることはないのです。

会社では様々な働き方をする社員を組織し、一定の秩序を保って運営し発展していかなくてはいけません。

中小企業だからこそ、社員の働き方・働く目的を明確にし、働く上でのルールを整備していかなくてはいけないのです。

▲このページのトップへ

法改正や行政通達の動きに要注意!

労働関連の法律は、世の中の動きに合わせ改正が行われます。

法律が改正されると、それまで就業規則で有効となっていた内容が今後は適用されなくなったり、知らない間に、就業規則の内容よりも法律が有利になってしまっている事があります。

法律の主旨と企業の就業ルールにズレがあったりすると、これも労働トラブルの火種になりかねません。

また重要な裁判例が出てきたときや、各法律の具体的な運用方法の行政通達も、自社の就業規則で定めてあった内容にズレが出てくる事もありますので、注意が必要です。

「とりあえず1度作っておいたから」では、現在の労働トラブルには対応できません。

新しい法律や行政通達に常に対応できているよう、定期的なメンテナンスをしなくてはならないのです。

近年の労働関連各法の法改正は、時代の流れや必要性に応じて、以下の要素・主旨に沿っていると考えます。

  1. ワークライフバランスへの対応(=柔軟な働き方)
    育児・介護休業法、労働基準法、労働契約法
  2. 雇用の確保、雇用機会の均等
    男女雇用機会均等法、パートタイム労働法、労働者派遣法、労働契約法、労働基準法
  3. 働く人の心の健康への配慮
    労働安全衛生法、労働基準法

2012年は、育児・介護休業法、労働契約法、労働者派遣法、労働安全衛生法に動きがありますので、改正事項を十分に把握し、自社の就業ルールと法律との折り合いをつけていく必要があります。

育児・介護休業法
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/dl/tp0701-1e.pdf

労働契約法
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000025bjf.html

労働者派遣法
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/dl/roudou_haken0329.pdf

労働安全衛生法
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001slsj.html

▲このページのトップへ

就業規則の役割と機能

就業規則を見てみると、就業条件や就業上のルールが定められています。

会社によって内容は異なるものの、試用期間・就業時間・休憩休日・休暇・賃金に関すること(賃金規程として別になっているのがほとんど)・退職に関すること・退職金の支給・服務規律・健康診断など安全衛生に関すること・表彰や制裁・退職や解雇・災害保障など、会社の人事労務管理に関する内容ばかりです。

つまり就業規則は「人事制度」を文書として表したものなのです。

会社の人事制度は、常に変化しています。変化に合わせて内容を見直さなければいけませんし、関係法律が改正されれば、これも対応しなければいけません。

このように常に見直しを繰り返している就業規則は、会社で働く上で守るべきルールを示したものであり「会社のルールブック」として利用されるべきものです。

最低限必要事項をまとめ条文立てて用意しておけばいいやではなく、トラブルの種が生まれないよう、実際の運用に合ったルールブックを用意することが、最低限求められるものとなります。

人事・労務管理を上手く社員にアピールし、社員を育て会社が成長しているところでは、就業規則=ルールブックを型通りに用意するのではなく、様々な場面で活用し、また積極的に活用しています。

就業規則には2つの側面があります。

ひとつは文字通りルールブックとして、法律に照らしながら、いかに自社にあったルールを明文化し、社員に理解してもらうか。

もうひとつは人事・労務管理制度をどう組み立て、就業規則を人材マネジメントツールとしてどう活かしていくべきか。

人事制度というと、人事考課・賃金制度・定年と退職金の仕組みを想像しがちですが、これらの仕組みを考えていく上では、労働関連の法律を根底に、会社の制度を考えていかなくてはいけません。

また考えられた制度は、文書化し社員に理解してもらい、実際に運用されなければ意味がなく「絵に描いた餅」で終わってしまうのです。

就業規則は、社員が働く上でのルールを理解するためのルールブックでもあり、社員を積極的に活かしていくためのマネジメントツールの役割も果たしているといえます。

▲このページのトップへ

就業規則が労務リスクから会社を守ってくれる

企業には、働く人がいる以上、多かれ少なかれ様々なリスクを抱えています。

このリスクを労務リスクといい、主に以下の5つに分かれると捉えています。

1)人的リスク
社員が起こす不祥事・違反、内部情報の漏えい、人材の流出、モチベーションダウンによる企業力低下

2)費用発生リスク
未払い賃金、労働・社会保険未加入による保険料徴収

3)訴訟リスク
ハラスメントや過労死による損害賠償請求、労災隠しの告発・送検

4)行政処分リスク
許認可の取り消し、一定期間の業務停止命令

5)風評被害リスク
法令違反による企業名公表や、インターネット上での書き込みなどによる信用失墜・イメージダウン

就業規則は、これらの労務リスクを抑制し管理する機能を担っています。

就業規則が会社のルールブックだからといって、何でも好きに定めても良いというものではなく、関係法令に則って作成することが求められます。

関係法令に基づいてルールを作成し、そのルールが会社の運営上にどのような影響を与えるのかを常に考える=コンプライアンスリスクへ対応していくことにつながっていきます。

ルールブックの機能としては、社員に守って欲しい事・やってはいけない事を明確にし、社員に周知していくというのがあります。

これにより社員の不祥事を未然に防ぐ、ルール違反をした際には明確で客観的な処分をすることにつながっていきます。

一方で、ルールブックである以上は、会社も就業規則を守らなければいけません。

関係法令に基づいて定められた就業規則を用意するという事は、会社に法令順守を強いているといえ、長時間労働や未払い残業代、ハラスメント行為などを防止する意味が含まれています。

このように就業規則は、会社の諸事情や就業環境を十分に考慮した上で準備がされていれば、会社が抱える労務リスクを直前のところで防いでくれるものといえます。

就業規則が持つ役割と機能をしっかり理解し、自社の就業規則をより良く・上手く活用できるものとして整備をしていただきたいと思っています。

▲このページのトップへ

社員が10人になったら就業規則は必要

労働基準法第89条には「常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」とあります。

これは就業規則を作成もしなければならないし、届け出もしていなければならないという事です。

就業規則を作成はしているものの届け出していなければ、やはり労働基準法違反になります。

では、この「常時10人以上」はどういった状況を表すのでしょう。

まず人数には、正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイトなども含まれます。

派遣社員は、派遣元企業の労働者として数えますので、派遣先では労働者数に含みません。

「常時」の状態については、一時的に10人未満となった場合でも、採用募集を行い補充を考えているような場合は「常時10人以上」とします。

逆に、普段は10人未満であるものの、業務量の増加により一時的に従業員を補充し10人以上の状態であったとしても「常時10人以上」であるとはしません。

また就業規則を準備する場合「事業所単位」で作成することとされます。

この事業所単位とは「1企業=1事業所」という事ではなく、本社以外に働く場所がある場合には、例えば支店・店舗・工場など各々の場所単位で作成するものとされます。

ただ本社以外に複数の就労場所があった場合でも、本社と同じ就業規則が適用されるというときは、本社と一括して届け出を行うという方法もあります。

さて「常時10人以上」の労働者がいない場合は、就業規則は本当に必要ないのでしょうか。

この場合、就業規則が作成されていなくても、労働基準法上での違反を問われることにはなりません。

社員ごとに労働・雇用契約書を取り交わしているし、契約書内に就業条件が定めてあり内容にも問題がないのであれば、確かに事は足りるともいえます。

ただ労働・雇用契約書だけでは会社の姿勢やルールを伝えきれるものではありません。

将来に向けて会社を成長させたい、社員に持てる力を発揮してもらいたいと考えているのであれば、今は10人未満の社員であったとしても、就業規則の本来持つ役割と機能を活かし、会社のルールブックとして活用していくためにも、会社の姿勢やルールを示した就業規則を準備していくべきではないでしょうか。

▲このページのトップへ

就業規則には必ず書かなければならないものがある

就業規則を作成するとき、あるいは今あるものを見直すときに、就業規則に必ず定められていなければならない事項が書かれているか、また書かれている内容に問題はないか確認をします。

これは、必ず記載されていなければならないもの=絶対的記載事項と、会社がルールを設けた場合には記載しなければならないもの=相対的記載事項とに分かれます。

【絶対的記載事項】
1.労働時間に関する事項
・始業、終業の時刻
・休憩時間
・休日
・休暇(年次有給休暇、育児休業、生理休暇など)
・交替勤務がある場合は交替勤務のルール?

2.賃金に関する事項
・賃金(基本給や各手当)の決定方法、計算方法
・賃金の支払い方法
・賃金の締切日と支払日
・昇給について(時期、方法など)

3.退職に関する事項
・退職、解雇、定年となる理由
・退職、解雇、定年の際の手続きなど

【相対的記載事項】
1.退職金に関する事項
・支給される対象者
・金額の決定方法、計算方法
・支払方法
・支払時期

2.賞与に関する事項
・従業員の食費、作業用品その他の負担に関する事項
・安全・衛生に関する事項
・職業訓練に関する事項
・災害補償と業務外の傷病扶助に関する事項
・表彰と制裁の種類、それぞれの事由に関する事項
・その他従業員の全てに適用される事項?

絶対的記載事項は、その名の通り、必ず就業規則に定めておかなければいけません。

絶対的記載事項とされる内容は、どの時間働けばいいのか、いつ休みがとれるのか、給与はいつ・どんな形で支払われるのかという、具体的に決まっていないと社員が働く上で(労務を提供する上で)困ってしまうものを指しています。

同様に、退職するときや解雇となったときも、どういった方法で退職の手続きをすればいいのか、解雇となる理由にはどういったものがあるのかなどが決まっていないと、会社と社員との雇用契約を解除する際にトラブルになりかねませんので、絶対的記載事項に含まれています。

対して、相対的記載事項は、会社のルールとして定めるのであれば就業規則にも記載をしなければならないものとされています。
制度がないのであれば、記載する必要はありません。

例えば、退職に関する事項は、労働者を雇用している以上は必ず起こることですので、どういう手続きをするのか、退職となる理由にはどういうものがあるのかを定めておく必要があります。

一方で退職金を支給するかどうかは会社によって異なりますので、退職金を支給するのであれば、どういう場合に支給されるのか、支給される額はどの程度なのか、どういう形で支給されるのかなどをルール化しておかないと、個人事情に左右されたものとなってしまいます。

また退職金は制度化された場合に「賃金債権」となりますので、トラブルにならないためにも就業規則にルールを定めておく必要があります。

元々、労働基準法は昭和22年に施行された法律で、終戦後早い段階で施行された法律です。

古くから徒弟制度などが一般的であった日本では働く側の権利が圧倒的に弱く、中間搾取なども当たり前に行われていたところを、法律で労働者を守ろうという背景からスタートしていますので、労働基準法は労働者保護の立場にあるものといえます。

最後に、就業規則には、上記の絶対的記載事項・相対的記載事項の他に、任意的記載事項というものがあります。

これはどういった内容を定めても構わないもので、第1章(総則)として社是や社訓・就業規則の目的を定めているものが該当します。

総則以外にも、会社独自のルールがある場合はそれを記載する、他にも小売業など接客がメインの業種では、接客時の心構えやマナーなどをあえて就業規則に記載したりすることもあります。

就業規則を自社に合ったものとする、ルールブックとして活かすには、絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項のどの項目に該当するものが定められているのか、制限されている項目に漏れや不十分なところはないか、会社のルールが明確になっているか、などを常に考えながら行っていく必要があります。

▲このページのトップへ

就業規則は会社も拘束するものである

就業規則の作成・届出義務は会社にあります。

法律で定められた内容は当然の事ですが、法律で定められていない内容をルール化するには、就業規則に定める事で有効となります。

就業規則に定めた就業条件は社員だけを拘束するものではなく、会社も拘束されるものです。

つまり就業規則に定められていない事は、原則としてやってはいけない事になります。

これは前述の絶対的記載事項・相対的記載事項のいずれも当てはまります。

例えば、始業・終業時刻として、9:00~18:00(休憩は60分)と定められていた場合、18時以降は働かせてはいけません。また休憩も60分与えなければならないのです。

そうはいっても18時以降も仕事をしなければいけない場合もありますし、就業時間を変更する必要がある場合もあります。

そういう時のために、36(サブロク)協定を締結し労働基準監督署へ届け出することで、一定の制限の下で残業をするものとなります。

同様に就業時間を変更する必要が出る時に備えて、就業規則内に「業務上の都合により、就業時間を変更し、始業時間を繰り上げ、または繰り下げる場合がある~」などと定めておきます。

解雇なども同様です。

就業規則に解雇や懲戒処分に関する定めがなければ、たとえ社員の取った行動が原因で会社に著しい損害を与えたとしても、懲戒処分とする事もできず、果ては解雇理由に該当するとしても正当な理由ではないと解雇もできないとなります。

就業規則を定めた会社も拘束される、社員へは会社のルールを示し説明責任を果たすという点において、就業規則は中小的すぎず、細かすぎず、適当な頃合いをもって定めておく必要があるといえます。

これから就業規則を作成する、または今の就業規則を見直すという場合に、自社の就業規則が効果があり有効なものとしていくためにも、今後お伝えしていく「条文別記載例とポイント」をぜひ参考にしてください。

▲このページのトップへ

意見書は何を書くのか

作成・変更した就業規則を労働基準監督署に届け出る際に「意見書」を添付します。

これは労働者の過半数代表者より就業規則に関する意見を聴いたとの証明をするもので、意見を記入してもらい、署名か記名押印をしてもらいます。

労働者の過半数代表者より意見を聴くがポイント。

「聞く」ではなく「聴く」という定めになっています。

どういう事かというと、過半数代表者に就業規則の内容に「同意」してもらう事を求めているのではなく、賛成できる点もあれば、反対する点もあるという意見を率直に記入してもらえばよいのです。

中には、法律に違反していないものの、もっと良い労働条件にして欲しいという意見が出てくる場合もあります。

様々な意見が出て、仮に反対されたとしても、これをもって新しい就業規則を直ちに変更する必要はなく、就業規則の効力にも影響はありません。

では、意見書そのものの提出を拒否された場合はどうなるのでしょう。

この時は、使用者側(会社)が過半数代表者に意見を聴き、意見書への記載・署名を求めたものの拒否されたという事実を書面で用意し、就業規則作成(変更)届に添付して届け出すれば、法律上の問題は問われない事となります。

実際に上記のような状況になるとすれば、意見書の提出そのものを拒否するという社員との関係性に、そもそもの問題点があるわけで、就業規則の作成以前に、会社と社員との関係回復・良好な関係へ改善する事が先に行われるべきといえます。

就業規則(変更)届
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/11.doc
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/11.pdf

就業規則意見書
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/12.doc
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/12.pdf

▲このページのトップへ

就業規則は全部届け出しなくてもよい?

一般的に、就業規則とは別に、賃金規程・退職金規程・出張旅費規程など、いくつもの規程が用意されています。

これは就業規則に全部の内容を盛り込んで就業規則そのものが分かりにくくならないようにするのと、見直しや修正がしやすいようにするために、通常はそれぞれの内容に応じて分けて定めておきます。

この場合、賃金規程や退職金規程など就業規則内で「別に定める賃金規程により支給する」など、別規程で規定されていると記載をします。

出張旅費規程など、就業規則に直接関連性はないものの全社員に適用されるものについては、個別に規程を設けていきます。
いわゆる細則とされるものになります。

就業規則を届け出る際にどこまで届け出しなければいけないのでしょう。

結論からいくと「すべての労働者に適用される事項、または労働者のすべてに適用される可能性がある事項については就業規則への記載が必要であり、別規程を作成する場合は、その規程も含めて就業規則となる」という点です。

行政通達(S25.1.20基収第3751号、H11.3.31基発第168号)では、旅費に関する一般的規定をつくる場合には、労働基準法第89条第10号により就業規則の中に規定しなければならないとされ、出張旅費に関する規定も就業規則に定めなければならないとされているのです。

全社員に適用されるものは当然のこと、一部の社員についてのみ適用される規程は、例えば福利厚生的なものであっても就業規則と一緒に届け出しなければいけないとなります。

▲このページのトップへ

就業規則の届け出方法、就業規則の有効性

【今日のポイント】

  1. 就業規則の届け出は「事業所単位」が基本
  2. 届け出されていない就業規則は、労働基準法に違反しているが、原則として有効性がある

作成・見直しされた就業規則への労働者代表からの意見書を提出してもらったら、労働基準監督署へ届け出をします。

届け出る際には、次のものを揃えます。

  1. 就業規則作成(変更)届
  2. 労働者代表の意見書
  3. 就業規則(別規程も含む)

就業規則作成(変更)届の様式は決められていませんが、各都道府県労働局にダウンロードサンプルが用意されています。

参考)東京労働局
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/library/tokyo-roudoukyoku/standard/relation/11.doc

初めて就業規則を作成した際は、全文を添付し届け出します。

見直しによる変更の際は、変更部分の新旧対照表を用意し、これに変更された就業規則を合わせて届け出しても良いですし、変更された就業規則全文を届け出ても構いません。

届け出は「事業所単位」となります。

ここでいう「事業所単位」とは、本社・支店・支社・店舗・営業所など、労働者が実際に就労している現場単位となります。

ただし、これら複数の事業所で同じ就業規則が適用される場合には、本社で一括して届け出を行う事ができます。

本社で一括し届け出を行う場合には、対象となる事業所数の就業規則を用意し、各事業所ごとに労働者代表の意見を聴き意見書を用意する必要があります。

また就業規則の届け出にあたり、届け出されていない就業規則は有効なのかどうか質問が多くされます。

これについては、届け出されていない事そのものは労働基準法に違反しているものとなりますが、労働者代表の意見を聴き、就業規則の周知もされているようであれば、就業規則の効力自体には影響はないとされています。

ただ会社を成長させていくためにはコンプライアンスは基本であり、届け出がされていない状態であれば、すぐにでも対処すべきといえます。

▲このページのトップへ

就業規則の周知は法律で決まっている

【今日のポイント】

  1. 周知する方法は法律で決まっているものから選ぶ
  2. 社員全員が「どこに就業規則があるか」を理解していること

労働基準監督署に届出をした就業規則は、社員全員が確認できるよう「周知」をします。

※周知=広く知らせること

この周知する方法については、会社が独自に決めたものでいいのかというと法律で定められています。

労働基準法施行規則第52条の2

  1. 常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。
  2. 書面を労働者に交付すること。
  3. 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。 

これら3つの方法から会社が周知しやすい方法で行う事となります。

「常時各作業場の見やすい場所」は、社員が自由に確認できる場所に設置しておきます。

総務部のカギのかかる書棚に入ってるとか、上司の机の引き出しにしか入っていないとかは「×」です。

「書面を労働者に交付する」文字通り、印刷した就業規則を手渡しすることになります。

この方法を取る場合は、ナンバリングをし退職時に返還してもらうなど、会社によって管理方法が異なります。

「磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し~」は、就業規則をPDF化し社内の共有サーバーやグループウェアで自由にいつでも見られる状態にしておき、かつ、保管場所を社員が把握しているようになっていることになります。

▲このページのトップへ

就業規則と労使協定の関係(1)

【今日のポイント】

  1. 労使協定は締結するだけで良いものと、労働基準監督署に届出が必要なものとがある
  2. 労使協定は事業場すべての労働者に適用されるが、労働協約は締結する労働組合員に適用される

就業規則を作成・見直しすると、定められた就業ルールによっては労使協定が必要なる場合があります。

労使協定とは、文字通り「労働者」と「使用者」との間で就業条件等に関して協議をし、協議した内容を書面にし取り交わしをした約束事です。

ここでの「労働者」は、いわゆる「事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときは、その労働組合、ないときは労働者の過半数を代表する者」になります。

労働組合がある場合は、労働組合と交渉をした内容を書面にします。

労働組合との間で締結されたものは「労働協約」といい、締結された内容が適用される範囲は労働組合の加入員となります。組合員以外には適用にならないのです。

ただし、事業場の労働者の多数を占める労働組合と締結された労働協約は、組合員以外にも適用されることもあります。

労使協定は労働者の過半数代表者と締結しますので、締結された内容は、その事業場全体に適用されるものとなりますが、労働協約は労働組合と締結しますので原則的には組合加入員に適用されるものとなります。

労使協定は、締結する内容を有効にするために取り交わせばいいものと、締結した内容を労働基準監督署に届け出て有効となるものとに分かれます。

以下、届出が必要な労使協定となりますので、労使協定を締結したら忘れずに届け出を行ってください。

  1. 貯蓄金管理に関する協定(労働基準法第18条)
  2. 1年単位の変形労働時間制に関する協定(労働基準法第32条の4)
  3. 1か月単位の変形労働時間制に関する協定(労働基準法第32条の2)
  4. 1週間単位の非定型変形労働時間制に関する協定(労働基準法第32条の5)
  5. 時間外・休日労働に関する協定(労働基準法第36条)
  6. 事業場外労働に関する協定(労働基準法第38条の2)
  7. 裁量労働に関する協定(労働基準法第38条の3、第38条の4)

▲このページのトップへ

就業規則と労使協定の関係(2)

労使協定と労働協約の関係について。

【今日のポイント】

  1. 労使協定は労働基準法を根拠とするもので、労働者と使用者との間の約束事。協定の締結を要件に「労働基準法に違反しない」という免罰(罰を免れる)効果がある。労働基準法の要求する事項に限られる。
  2. 労働協約は労働組合法を根拠とするもので「使用者と労働組合との書面による協定」。労使双方の合意と一方的な変更や協約破棄等は認められない。労働者の要求に関するすべての事項が協約の対象となる。

労使協定は、労働基準法を根拠とするもので、労働者と使用者との間の約束事です。

また労使協定の締結を要件に「労働基準法に違反しない」という免罰(罰を免れる)効果があります。

この免罰効果とはどういった事を指すのでしょう。

企業は、労働基準法に基づいた就業ルールを設け、労務管理を行わなければいけないのですが、1日8時間、1週40時間までしか労働させてはならず1分でも超えたら違反であるなどとなると、実質的に企業経営は成り立っていきません。

とはいえ、労働基準法の制限を超えて労働させると、直ちに法律に違反する事となり、場合によっては罰則が適用されてしまいます。

このような法律に違反する行為と、法律の罰則が適用されるのを逃れる(罰を免れる)ために必要とされるのが「労使協定」になります。

ただし、労使協定には、上記のような免罰効果があるだけで、現実に労働者に具体的な業務の指示をするためには、例えば時間外労働や休日勤務のように、就業規則等の根拠が必要とされます。(S63.1.1基発第1号)

対して労働協約は、労働組合法を根拠とするもので「使用者と労働組合との書面による協定」になります。
労使双方の合意と一方的な変更や協約破棄等は認められません。

労働組合が協約締結の主体となるため、労働者の過半数未満しか加入していない少数組合員の組合であっても協約の締結権があります。

労働協約は、協約を締結した労働組合の組合員のみが拘束されますので、他の労働組合の締結した労働協約は、自分たちの組合員には適用されません。

ただし例外的なものとして「一般的拘束力」というのがあります。

これは1つの事業場で同種の労働者のうち75%以上の労働者に労働協約が適用される事となった場合に、同じ組合に加入していない他の労働者に対しても、自動的に労働協約の締結内容が拡張されて適用となる形をいいます。

この場合、拡張適用されるのは、労働協約のうち「規範的部分」とされる労働者の待遇に関する部分(賃金や労働時間・休日など)で、労働組合と使用者の関係である「債務的部分」には適用されません。

とはいえ、労働基準法を根拠とする協約が締結されると、これは他の労働者にも適用される事となります。

例えば、少数組合が変形労働時間制導入反対と叫んでいても、労働者の過半数が加入している労働組合が変形労働時間制について労働協約を締結すると、そこに加入していない少数組合も、締結された内容に拘束されることになります。

労使協定と労働協約は、効果も拘束力も異なるのです。

▲このページのトップへ

就業規則と労働契約の関係(1)

就業規則と労働契約の関係について。

【今日のポイント】

  1. 就業規則は一方的、労働契約は双方向
  2. 一定の条件を満たしている就業規則の内容は労働契約の内容となる

就業規則は、労働者代表の意見を聴くものの、会社が一方的に作成・見直しをします。

労働者代表が就業規則の内容に反対意見をいったとしても、就業規則が無効になるわけではなく、反対意見に対して就業規則を変更する義務もありません。

現実としては、いくら労働基準法に違反していないとしても、社員の多くが反対する就業規則を一方的に制定しようとすれば、上手く機能するものではありませんが。

対して労働契約は、会社と社員が双方合意した契約になります。

労働者である社員が自身の労務を提供し、会社が提供された労務に対して賃金を支払うという基本的な契約の他、労働時間や休日・退職時のルールなど働く上での様々な内容に対し合意をするものとなります。

では就業規則と労働契約との関係はどうなるのでしょう。

就業ルールを定めていく上で、この就業規則と労働契約との関係を理解しておく必要があります。

ポイントは2つ

  1. 就業規則は一方的に定められるものですが、就業規則に定めてある労働条件が合理的であるかどうか。
  2. 就業規則は労働者にきちんと周知されているか

この2つの要件を満たしていれば、就業規則に定めてある内容=労働契約の内容となり、会社と社員の両方に適用されることとなります。

ここでいう「合理的」は、会社と労働者の権利や義務を比較し、どちらかに不利益になっていないかという事であり、一般的には労働者が不利益になっているケースが多いとされますが、中には会社が不当な義務を負っている場合もあったりします。

また「周知」については、労働基準法で定める方法だけではなく、実態としてどうなっているかで判断がされます。

労使協定と労働協約は、効果も拘束力も異なるのです。

▲このページのトップへ

就業規則と労働契約の関係(2)

就業規則と労働契約の内容が違う場合は、どちらが優先されるのでしょう?

【今日のポイント】

  1. 労働契約の内容が就業規則を下回っている場合は、就業規則が優先される
  2. 労働契約の内容が就業規則を上周っている場合は、労働契約が優先される

一定の要件を満たしている就業規則は、労働者代表が反対したとしても合理性があるものとして、労働契約の内容として成立します。

では個別に会社と締結された労働契約の内容と就業規則とが異なるときは、どちらが優先されるのでしょう。

この場合「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分について無効とする。無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」とされています。(労働契約法12条)

つまり労働契約の内容が就業規則を下回っている場合は、就業規則が優先されることとなります。

逆に、労働契約の内容が就業規則を上周っている場合は、労働契約が優先されることとなります。

さらに就業規則が法令に違反している場合は、違反している部分について無効となり、法令の定めが適用されます。

では労働組合と締結する労働協約との関係はどうなるでしょうか。

労働協約と就業規則の関係性からみれば、就業規則が労働協約に反している場合は、反している部分について無効となり、労働協約が適用されることとなります。

また労働協約の場合は「反している部分が無効」とされている点、上回っているか下回っているかではなく「反している点のみ」の扱いとなるところが異なります。

上回ることも下回ることも無効であると考えることができます。

労働協約が適用されるのは原則として労働組合員になりますので、適用される範囲も異なることとなります。

▲このページのトップへ

第1章:総則

就業規則の第1章、出だしの部分です。

【総則】には、就業規則を定める事の目的、就業規則がどの雇用形態まで及ぶのか、従業員の定義、遵守事項、労働条件の変更など、就業規則全体に関する定義付けをします。

ここで適用範囲などを明確にしておく事で、就業規則の意義が具体的になります。

上記以外では、会社のビジョン・経営理念を分かりやすく記載をし、社員としての責務についても明示する事で、会社が今後どういった方向に進んでいくのか、いこうとしているのか、また個々の社員がどのような行動を取るべきなのかも、就業規則を通して社員に浸透させることができます。

▲このページのトップへ

目的

第1章 総則
第●条(目的)
この規則は、法令に基づき、株式会社●●●●(以下、会社という)の社員の就業に関する事項を定める事により、企業の円滑な運営と企業秩序の維持確立を目的とするものである。

【今日のポイント】

  1. 就業規則の目的は、社員に守ってもらいたい・やってはいけない就業ルールを定めるもの
  2. 「関係法令に準じる~」は、余計な点を労働契約とされる可能性があるため避けるべき

本条は、就業規則の目的を示すものです。

就業に関する事項を定めるものとある通り、社内に留まらず社外での活動や就業時間外の行動についても、会社の信用や名誉を傷つけないよう、企業の円滑な運営と企業秩序の維持確立も目的とされます。

ここでは「会社および社員は、この規則を遵守し、共に協力して社会的使命の達成に努めなければならない~」とは定めません。

上記のように定めている就業規則を、よく見かける事があります。

確かに就業規則は定めている内容により、会社も社員も拘束されるところとなりますが、そもそも会社側が労働者代表の意見を聴くものの、その内容は法律に基づいて一方的に定められるものであり、定められた内容は労働契約として成立するものとなります。

就業規則の目的としては、社員に守ってもらいたい・やってはいけない就業ルールを定める点にあると考えます。

また「本規則に定める事項は、関係諸規程の他、労働基準法その他法令に定めるところによる~」とする条文もよく見かけます。

就業規則の内容は、ひとつひとつを検討した上で定められ、労働契約の内容として、会社と社員双方とを拘束するものとなります。

ここに関係法令に定めるところによる~と、法律の準用が定められると、本来は労働契約の内容で成立・有効となっているものに、法律上の解釈や遵守を求められ、労働契約内容として従わなければならなくなったり、従うべきかどうかのトラブルに発展する可能性も否めませんので、これを定める事は避けるべきといえます。

うちの就業規則は法令に遵守しているという点を社員にアピールしたいとされる企業もありますが、条文としての意味を良く考えてから、定めるかどうかを判断して欲しいところです。

▲このページのトップへ

社員の定義および適用範囲

第●条(社員の定義および適用範囲)

  1. この規則で社員とは、第●条に定める手続きによって会社に採用された者をいう。
  2. この規則は前項の社員に適用し、次の各号に定める者には適用しない。
    ①パート社員、アルバイトなどの臨時的に雇用される者
    ②嘱託、契約社員などの期間を定めて雇用される者
    ③その他名称の如何に関わらず、前項の社員とは異なる雇用形態により業務に従事する者
  3. 前項各号に定める者については、別に定める就業規則または個別の契約に従うものとする。

【今回のポイント】

  1. 正社員以外にどこまでの雇用形態に就業規則で定めた内容が及ぶのかを具体的にする
  2. 常時10名以上の労働者を使用する場合は、正社員以外に就業規則が適用されないとしたときに、他の雇用形態の労働者に対する就業規則を作成する必要がある

就業規則が適用される範囲を定める重要な条文です。

どこまでの雇用形態まで就業規則が及ぶのかを、具体的に明確に定めておきます。

1項で「~で定める手続きによって会社に採用された者」とありますが、これは会社が定める採用手続きを経ることで雇用されているものであると特定しています。

2項では1項と逆に「適用しない場合」を定めています。

これは本就業規則がどこまで適用され、どこからは適用されないのかを明示するための条文です。

通常は、個別具体的に適用除外となる雇用形態を明示し、さらに、万が一想定している雇用形態以外の雇用が発生する場合に備えて「前項の社員とは異なる雇用形態により業務に従事する者」とし、正社員以外の雇用形態を除くようにします。

この場合、適用除外とされた雇用形態を対象とする就業規則を別に定めておかないと、就業規則が適用されない労働者が残ってしまうため、労働基準法89条に違反することになりますので注意が必要です。

また併せて、就業規則が適用される職種を、技術職・営業職・事務職などと定めておく場合があります。

これは職種によって労働時間の管理方法が異なる場合などに、定める内容との定義付けがしやすく分かりやすくするために行います。

▲このページのトップへ

労働条件の変更

第●条(労働条件の変更)
この規則に定める服務規律および労働条件等については、法律の改正、社会状況の変動及び会社の経営内容・方法の変動等の業務上の必要性により変更することがある。

【今回のポイント】

  1. 一定の要件の下で労働条件の変更があり得る事を確認させる意味がある
  2. 企業規模によっては逆効果になる場合もあるので要検討

本来であれば、労働条件を変更する場合、特に労働者に不利益になる点については合意がなければ認められるものではありません。

一方で、企業が労働契約を解消するための「解雇」を行う事に法律上の制限もされているため、労働契約を解消する=解雇することは、一定の手続きを経ないと行いにくい状況にあるのが現実です。

そこで雇用を確保する代わりに、一定の要件を満たしていれば、労働者との合意によらず就業規則を変更する事で、労働契約内容=労働条件を変更する事を認めるものとしています。
(労働契約法第8条、第10条)

このような条文を定めなくても、上記のように一定の要件の下で就業規則を変更する事ができますが、変更する事があるという点を明確にする意味で、あえて定めるという目的もあります。

ただし、この条文は見方によっては、雇用を確保しているとも解釈できます。

会社の諸事情(企業規模・業種・労働者の公正・就業状況の実態など)により、解雇に関する解釈や有効性が異なるため、必ずしも本条を定める事が良いとは限りません。

企業規模が大きいほど、解雇権濫用に関する措置を厳しく求められる傾向にあるため、このような条文を定めても問題ないと思われます。

企業規模によっては、返って雇用確保と解釈される可能性も否めませんので、本条を定めるかどうかは、各企業の状況に応じて十分に検討する必要があるといえます。

▲このページのトップへ

二重就業の禁止のポイント

第●条(二重就業の禁止)
社員は、他の職務に従事し、又は事業を営んではならない。ただし、会社の承認を事前に得た場合はこの限りではない。

【今回のポイント】

  1. 二重就業禁止は法律で制限されているものではない
  2. 副業の内容によっては禁止規定が有効になる場合がある。内緒にせずにまずは相談してみては。

多くの企業では、就業規則に二重就業を禁止する、いわゆる副業禁止規定を定めています。

副業禁止は、労働基準法で制限されているものではなく、会社のルールとして定めるものになります。

就業規則は会社のルールを定めるものですから、副業を禁止するというルールが定められたらこれに違反はできません。

とはいえ原則として就業時のルールを定めるものですので、退社後や休日の個人行動まで拘束されるかとなると、そこまでの拘束力はないでしょう。

副業していた事が会社に発覚したからといって、直ちに解雇処分等を行うと無効となる場合もあります。

しかし副業している事が原因で、遅刻や欠勤など勤務態度に影響が出たり、業績が悪くなったり、果ては会社に損害を与える事となった場合には職務専念義務違反にもなり得ます。

副業禁止が有効とされた判例

  • 副業の影響で遅刻や欠勤が多くなった
  • 競合する他社でアルバイトしていた
  • 会社固有の技術やノウハウが漏えいされると判断された
  • 会社の名前や名刺を使って副業を行っていた
  • 会社の品位を落とすような風俗関連やマルチビジネスを行っていた

リーマンショック以降、昇給や賞与支給が思うようにならない企業では副業禁止を廃止し、逆に認めるケースもありました。

ワークシェアリングを導入している会社などもいきなり副業を禁止せず、通常の業務に支障が生じない範囲での副業を認めたりもしています。

副業を禁止している会社でも事情を説明すれば認める場合も多くありますので、内緒で副業せず、まずは相談してみるのも一考でしょう。

▲このページのトップへ

第2章:人事

第2章として「人事・採用」に関する内容を定めます。

まず、採用基準や採用手続き、採用時の提出書類、試用期間など、雇用されてから試用期間を経て正社員として正式に雇用されるまでに必要とされるものを定めます。

特に試用期間については、期間の長短に関するもの、試用期間中に不採用となる場合の基準など、解雇に結びつくものもあり、定めるにあたっては注意が必要です。

他には「身元保証」に関する定め、人事に直結する「異動」に関する詳細、「休職」「復職」のルールなどを定めます。

これらは法律で定める事と義務化されているものではありませんが、企業の人事運営上必ず必要となるものであり、適切に定めておかないとトラブルの元となりかねません。

▲このページのトップへ

採用方法

第●条(採用の方法)
会社は、入社を希望する者の中から、書類審査、面接試験等の所定の選考を行ない、それに合格した者を正社員として採用する。

【今日のポイント】

  1. 雇用形態に応じた採用基準・方法を定めるべき
  2. 雇用形態ごとの区分を明確にするためにあえて就業規則に定める

パート・アルバイトと正社員など雇用形態に応じて求める能力やスキルも異なります。

これらを明確にする意味でも、採用方法や採用基準の違いは明確にするのが適切といえます。

就業規則では、それぞれの雇用形態(この場合は正社員に対するもの)ごとの採用方法や採用基準を具体的にすべきといえます。

条文では「所定の選考」としていますが、運用上では、正社員に対する選考基準・方法としては書類選考~複数回の採用面接とし、パート・アルバイトに対しては採用面接回数を1回に留めるなどの方法をとります。

▲このページのトップへ

入社希望者の提出書類

第●条(入社希望者の提出書類)

  1. 会社に入社を希望する者は、次の各号の書類を提出しなければならない。ただし、会社が認めた場合は、その一部を省略することがある。
    ①自筆履歴書(提出日前3か月以内に撮影した写真貼付)
    ②健康診断書(提出日前3か月以内に受診したもの)
    ③卒業見込み証明書または最終学歴の卒業証書の写し
    ④職務経歴書(職務経験がある場合)
    ⑤採用条件となっている技術または資格を証明する書類
    ⑥その他会社が必要とする書類
  2. 会社は提出を受けた書類について、不採用となった場合は直ちに消却する。

【今日のポイント】

  1. 法律上定める義務はないものの、適切な採用選考を実施するために便宜上必要な書類を定めておく
  2. 本人の性格や行動特性を図る上では自筆履歴書を提出してもらう
  3. 入社前に健康状態を確認する事は極めて大事

採用選考時に提出してもらう書類の種類と提出条件を定めています。

入社希望者と企業との雇用契約が成立していないのに、このような定めをする必要があるのかとの意見もありますし、現に定めていない就業規則も多くありますし、行政が提供しているひな型でも定められていません。

提出物として何が必要かを明確にする便宜上、就業規則に定めておく事に問題はありません。

最近は提出される履歴書で自筆のものを見ることは極めて少なくなりましたが、本人の性格や行動特性を図る意味でも、自筆の履歴書を提出させるようにすべきと考えます。

上手い・下手な文字という事ではなく、書き方からうかがい知れるものが多くあります。

そうはいってもという場合には、採用面接前にアンケートを記入してもらい、記入された内容や書き方から、本人の性格や行動特性を図ることも大事になります。

健康診断書の提出にあたり、入社前の健康診断を実施できないのではという意見があります。

これから採用する人物が心身ともに健康であり、会社との雇用契約の中で労務を提供してもらえるかどうかを確認する事は、とても重要なファクターになります。

この健康状態を確認する意味で一定期間内に受診した健康診断書を提出させることは、就業規則に明確に定めておく必要があると考えます。

2項として、提出書類の処分について定めています。

これは不採用となった場合に提出書類の返却を求めてくる応募者に対し、会社は書類を返却せず処分することを定め、個人情報を適切に取り扱うことを明らかにするためとなります。

▲このページのトップへ

採用決定時の提出書類

第●条(採用決定時の提出書類 )

  1. 社員として採用された者は、会社が指定する日までに、前条に定める書類とともに、次の各号の書類を提出しなければならない。ただし、選考に際して提出済みの書類を除く。
    ①入社承諾書
    ②誓約書
    ③身元保証書
    ④通勤経路届出書
    ⑤給与の口座振込同意書
    ⑥住民票記載事項証明書(内容は会社指定)
    ⑦本年分源泉徴収票(入社前に所得がある場合)
    ⑧年金手帳、雇用保険被保険者証(所持者のみ)
    ⑧必要により、資格証明書、学業成績証明書、卒業証明書
    ⑨その他会社が必要と認めたもの
  2. 前項の書類のうち会社が認めた場合は、その一部を省略することがある。
  3. 正当な理由なく指定された期間内に第1項各号に定められた書類の提出を怠る場合は、採用を取り消す措置をとることがある。
  4. 在職中に上記提出書類の記載事項で氏名、現住所、家族の状況等に異動があった場合は、変更があった日より2週間以内に所定の様式により会社に届け出なければならない。

【今回のポイント】

  1. 会社が必要と考える書類を提出してもらう
  2. 提出期限は「入社日まで」「○日以内」など具体的に決めておき、提出遅延に対処できるようにする

会社は労務管理上個人の情報を入手する必要があり、入社にあたり様々な書類の提出を求めます。

この時、社員の情報入手以外に、就業条件や服務規律が定められている就業規則に対し包括的に同意を得る形で、労働契約の内容とするために、誓約書の提出を義務付けます。

この誓約書の内容として、採用する者から入手する個人情報の取り扱いや会社の営業情報等に関する守秘義務を果たすことへの同意を得るものとなります。

住民票記載事項証明書は、現住所の把握のために提出してもらいます。
よく「住民票」の提出を求めるケースがありますが、本籍・出生地に関する情報を入手は行わないよう行政指導がされていますので、住民票や戸籍謄本等の提出を求める場合は、必要とする理由を説明した上で提出を求める必要があります。

上記以外の提出書類として、「知的所有権の帰属に関する確認及び譲渡書」「機密保持契約書」「自家用車利用に関する届出」などを提出させる場合もあります。これらは業種や職種に応じて用意をする事となります。

書類の提出時期を「速やかに」としているケースがよくありますが、提出時期は「入社日まで」「○日以内」と具体的に明示をし、提出が遅れがちな社員へ厳しく対処できるようにします。

また入社時に提出された書類の内容に後日変更が生じる場合を考慮し、4項に届出期限を設けて具体的に定めておきます。

最近は会社所定の様式を用意せず、メール文面で連絡をするケースもよく見かけます。

会社が必要とする情報が不足していたり、また届け出ルールが徹底されにくい点を考えると、一定の書式で届け出をすることを義務づけ、しっかりとした管理を行うべきでしょう。

▲このページのトップへ

身元保証人

第●条(身元保証人)

  1. 身元保証人は、1名以上とする。
  2. 身元保証人は、一定の職業に従事し、独立の生計を維持する成人者でなければならない。
  3. 社員は、身元保証人になることはできない。
  4. 身元保証の期間は満5年とする。会社が特に必要と認めた場合、身元保証の期間更新を求めることがある。
  5. 身元保証人が、次の各号の一に該当するときには、直ちにこれを更新し、新たに身元保証人を届出なければならない。
    ①死亡または失踪の宣告を受けたとき
    ②破産の宣告をうけたとき
    ③その他、会社が身元保証人を不適格と認めたとき

【今日のポイント】

  1. 保証期間を定めない場合は3年間、期間を定める場合は5年間
  2. 法律上の義務はないが、身元保証人が用意できない場合の対処も検討が必要

身元保証は、採用した社員の業務適性と本人が会社に届け出た内容を保証する人物保証の意味と、会社に万が一損害を与えた場合の損害補償の意味があります。

現実的には、損害賠償の意味で求める事よりも、人物保証の意味で活用しています。

最近は特に、精神疾患を発症し本人と連絡が取れなくなるケースがあり、このような状況になった際の連絡先として必要になります。

身元保証人として認める要件としては、独立生計者である事が第一要件となります。

よく配偶者を身元保証人として認める場合もありますが、万が一の場合を考慮し、同一生計者は認めないようにします。

また社員間で身元保証とする事は、会社が求める要件とは異なるため、これも認めません。

身元保証人では「保証期間の更新」がよく問題になります。

身元保証に関する法律では、保証期間を定めていない場合は3年の効力があり、保証期間を定めている場合には5年までとされています。

保証期間を更新する場合は、最大5年までとなります。

どの程度まで保証を必要とするのかも、よく問題になります。
入社した後退職まで保証を求める場合もあれば、当初の5年間で本人の人物保証は担保できているとして1回で終わらせる場合もあります。

身元保証人に求めたい保証事項に応じて期間を設定します。

最近の傾向として、以前に比べると親族数が少なくなってきているため、身元保証人を2名揃える事が難しいケースや外国人労働者の場合はどうするのかなども課題となっています。

身元保証人は法律で義務付けられているものではないため、社員が提出を拒む事もできるでしょうし、会社側も提出拒否を理由に採用取り消しとする事もできるでしょう。

身元保証人が用意できない場合の対処も十分に検討しておく必要があるといえます。

▲このページのトップへ

試用期間

第●条(試用期間)

  1. 新たに採用した者については、原則として入社日より3か月間を試用期間とする。ただし、特殊の技能または経験を有する者には、試用期間を設けずまたは短縮することがある。
  2. 前項の試用期間は、各人との雇用契約書により期間を伸長する場合がある。
  3. 試用期間中または試用期間満了の際、健康状態、勤務状態、業務成績等を判断し、引き続き社員として勤務させることが不適当であると判断し、本採用は行なわない。
  4. 所定の試用期間では、正社員としての採用諾否の判断ができない社員、または業務に習熟していない社員については、社員本人と協議の上、試用期間を延長することがある。その場合には、延長する期間を明示する。
  5. 本採用となった場合にのみ、試用期間は勤続年数に通算する。

【今日のポイント】

  1. 試用期間中の解雇は通常の解雇より裁量範囲が広い
  2. 期間中の教育・指導が大事。定期的な面談でしっかり指導を。

試用期間は、文字通り、入社後の一定期間を「試用」期間とし、この間に採用した社員の人物や能力を確認・評価し、その後正社員とするかどうかを判断する期間になります。

この期間を「解雇権留保付労働契約」とされます。

「解雇権留保付労働契約」とは、試用期間中に問題がなければ、本採用となった日からの雇用を約束するというものです。

試用期間中に本採用とするには難しいと判断された場合の労働契約解除=解雇は、通常の解雇より会社側に自由性がある程度認められるものとなります。

そうはいっても、やみくもに辞めされる事ができるというものではなく、解雇する理由に無理がないか一方的なものになっていないかなどの判断がされる事となります。

試用期間中は、定期的に面談を実施し、業務上の課題や勤務態度などに問題があったら適切に指導をし経過を確認する事を繰り返していく必要があります。

また、どうしても試用期間満了で解雇せざるを得ないという場合には、期間満了日にいきなり「今日で終わりです」とするのではなく、少なくとも30日以上前には本人と話し合い、伝えるべきといえます。

試用期間の長さについてよく質問がありますが、一般的には~6か月程度が妥当とされます。(判例では最長1年とされているようです)

試用期間中の勤務態度として不適当とされる事項については、条文内に具体的に定めておく場合と、包括的な表現に留めておくケースとに分かれます。

それぞれに一長一短があり、具体的に定めると定めた内容以外が無効となる場合もあり、包括的な表現に留めると解雇事由そのものが無効になる場合があります。

自社の方針や考え方で、どのような定め方がいいのか検討が必要となります。

参考)試用期間の法的な意味
http://www.jil.go.jp/rodoqa/07_jinji/07-Q07.html

▲このページのトップへ

その他の記載例はコチラから

就業規則は会社のルールブック

作成や見直しには、大きな労力と時間がかかります。
また実際に準備した就業規則が、果たして法的に問題がないかも大事な要素です。
迷ったり、悩んだりされたら、ぜひ当社へお任せください。
業種・企業に合わせた就業規則のご提案や、現在の就業規則へのアドバイスや見直しも行っています。
※ご希望の内容により料金が異なりますので、まずはお気軽にお問合せください。

 

お問い合わせはこちらからどうぞ。お気軽にご連絡ください! 03-6300-0485

サイト内検索
ChatWork EVANGELIST
に選ばれました
ROBINS確認者
PC版に切り替える