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法改正 労働基準法の改正で変わること

3月13日に閣議決定された労働基準法の改正案は、ホワイトカラーエグゼンプションなどが注目され、法施行以来の大改正となるのではと騒がれましたが、結局は公開された内容は概要1ページと要綱3ページ程度といったもの。
別に定められた労働契約法と合わせても、内容は骨抜き的な印象をぬぐえませんが、改正点について整理してみたいと思います。

時間外労働の割増率について
時間外労働の割増率は、法定時間を超えた場合に25%増しだったものが、1ヶ月で45時間を越えた場合の割増率を25%以上しなければならないとされています。
ただし、これは労使協定で定めた割増率でよく、さらに努力規定となっていますので、実質的には従来通りの割増率でも構わない事となります。

また1ヶ月で80時間を超えた場合の割増率は50%とされ、引き上げた分の割増賃金を有給の休暇として与えてもよいとしています。
この点については、中小企業に対しては3年間の猶予が与えられています。

※ここでいう中小企業とは?
 ・資本金3億円以下(小売業・サービス業は5千万円以下、卸売業は1億円以下)
 ・従業員数が300人以下(小売業は50人以下、卸売業・サービス業は100人以下)

有給休暇の時間単位での取得が可能に
子どもの通院等など一定の条件の下で、有給休暇のうち5日分を時間単位で取得する事ができるとしています。
この場合、対象となる条件や従業員の範囲などは、労使協定を定めて決定しなければなりません。


以上の概要をみても、昭和22年に法制定された当時からの、時間によって労働を尺度する概念から変わってなく、現在の労働環境や実態とはかけ離れたところで落ち着いてしまった感が否めません。

労働基準法の一部を改正する法律案の概要

労働基準法の一部を改正する法律要綱案

投稿日:2007/03/20
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