人事・労務の知恵袋

人事・労務 年次有給休暇は新しく付与された方から消化してもよい

年次有給休暇の消化方法について、よく質問をお受けします。
多くの方は、年次有給休暇を消化していく際に、前年から繰り越されたものから消化するものだと思っています。

実は、年次有給休暇をどちらから消化するかについては、労働基準法には明確な定めはありません。

前年度からの繰り越し分と、今年度新たに付与された分のどちらから先に消化するかは、民法488条1項により債務者である会社側が指定することができるのです。

つまり「今年度新たに付与された分から消化する」というルールを設ける事ができるというわけです。

会社側としてみれば、年次有給休暇を新たに付与した分から消化していくと、翌年度への繰り越し数が少なくなりますが、従業員側からすれば「繰り越し分から消化される」ものと考えている方が大多数であるのも事実ですので、繰り越し数が少ないのは不利益だと主張してくるかもしれません。

法律に明確な定めがない場合には、就業規則で具体的に定めておく必要があります。

また以前より、前年から繰り越されたものから消化してきた事実があるものを、いきなり当年に付与されたものから消化するとするのは、実態に即していませんので不利益変更と解釈されます。

不要な労務トラブルを回避するためにも、就業規則に年次有給休暇の消化順序を具体的に定めたうえで、従業員への周知をおこなっておくことが肝要です。

 

上記内容に関連する「社員も安心、会社も納得の就業規則」ページもご覧ください。
ご質問・お問い合わせは、メール(info@sming.jp)、フォームより気軽にご連絡ください。

 

投稿日:2014/06/25
IT業界の人事・労務、就業規則 社会保険労務士法人スマイング
〒151-0072 東京都渋谷区幡ケ谷2-14-9 ヤナギヤビル4F
新宿駅から京王新線で3分「幡ヶ谷駅」下車 北口より徒歩1分
※当サイトの文章、イラスト、写真、図や表などの無断転載を禁止します。

人事・労務の知恵袋一覧

PAGETOP