20110523産経ニュース
パナソニックは2日、自動車関連部門で7~9月の間、木・金曜日を休日にし、土・日曜日に工場を稼働させる方向で検討していることを明らかにした。
取引先の国内自動車各社が夏場の節電対策として木・金曜日を休みにするのに歩調を合わせ、業務を円滑に進めるのが狙い。近く労働組合に申し入れ、協議した上で正式に決める。
自動車産業を起点にした休日振り替えの動きが、産業界全体に広がってきた。

休日を振り替えるのはパナソニックの社内分社で、自動車用機器やカーナビなどを手掛けるオートモーティブシステムズ社(本社・横浜市)。
単独で約1800人いる従業員のうち、国内工場(長野県松本市)と営業部門で休日を振り替える。
パナソニック本社や他のグループ会社は、通常通り土・日曜日を休日とする。

トヨタ自動車など国内の自動車会社はコストを抑えるため、部品などを必要な分だけ供給してもらい、在庫をなるべく持たない生産方式「ジャスト・イン・タイム」を導入している。
このため機器を納入するパナソニックの自動車関連部門も、工場の休日を自動車各社と合わせる必要があると判断した。営業部門も取引を円滑にするため休日を振り替える。

政府は今夏、ピーク時の電力消費を東京電力や東北電力管内で15%削減する目標を掲げる。
国内の自動車各社は全国の工場で、電力供給に余裕のある土・日曜日に生産し、木・金曜日を休みにして電力消費の平準化を目指している。

電機業界では日立製作所が東京、東北電力管内で7~9月、土・日曜日にグループの工場を稼働させ、平日に休みを分散させる節電対策を打ち出している。
自動車会社と取引の多い電機業界で、こうした動きがさらに活発化しそうだ。
(以上、記事より)


今夏の電力対策として、業界を超えて休日を振り替える動きが広がっているようです。
ただし同一企業内でも、本社機能や職種によって休日振り替えの影響が出る場合には、従来通りの土・日休みのままとしています。

一方、サマータイム導入やシフト勤務により就業時間帯をずらすなどの対策を講じるケースもあり、ソフトバンクは、7月1日から本社ビルの使用スペースの3割以上を閉鎖し、従業員の約3割に当たる3千人を交代で在宅勤務や外勤に充て、オフィスの消費電力30%削減を目指すとしたり、他にも
日産自動車では、夏の節電対応として、完成車組み立て工場の勤務シフトを変更し、午後2時から5時まで稼働を3時間休止し、ピーク電力の削減を図ると発表しています。

自動車関連企業は、休日振り替えでの対応を取るとしている中、シフト勤務での対応は日産が初めてです。

親会社や取引先企業が上記のような対応を講じると、下請け企業や関連企業も同様の対策をとらないと業務に支障が生じるという事で、休日振り替えや就業時間帯の変更に関する労使間での協議が進められているようです。

休日振り替えやシフト勤務による就業時間帯の変更については、労使間での協議を行った上で、必要に応じて労使協定を締結し、また就業規則の変更と届出が必要となります。

今夏限りの時限的な対応という意味では労働者側の理解も得やすいと思われますが、変形労働時間制や年次有給休暇の計画的付与など、制度変更に伴い必要とされる手続きや届け出にモレがないようにし、一定期間の対応であっても労働時間管理上でのリスクが生じないような対応が求められます。


節電に取り組む労使のみなさんへ(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001apoc-att/2r9852000001c15i.pdf



昼間3時間操業止める 日産が勤務シフト変更 節電対策強化
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110601/biz11060115410033-n1.htm

東芝、夏休み2~3週間 代わりに秋は土曜日返上、節電対策で
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110531/biz11053115550037-n1.htm

キヤノン、節電対策でサマータイム導入 夏季休暇の輪番制も
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110530/biz11053016010012-n1.htm

コンビ、節電のため午後6時に全社員退社
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110502/biz11050218330019-n1.htm

ソフトバンク、7月から本社の3割を閉鎖 30%節電狙う
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110602/biz11060217400016-n1.htm


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