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ワンポイントQ&A 社内不倫を理由に解雇できるか

同じ職場内での不倫関係が発覚しました。社員への影響を考えると見過ごすわけにもいきません。会社として、社内での不倫行為を理由に解雇できるのでしょうか。

不倫行為を理由に解雇するには相当の理由がない限りは難しいでしょう。

社内不倫が原因で夫婦間のトラブルが社内に持ち込まれ、職場でいわゆる愁嘆場が再三演じられるなどし、職場環境に具体的な影響があった場合には、会社としても介入する必要があり、懲戒処分の対象ともなり得る事となり、場合によっては解雇処分も妥当となります。

また一方を解雇、一方を配置転換と、処分に差を設けることは、不倫関係に陥らせた経緯や積極的に動いたかどうか、セクハラ的要素があるかどうかで差異をつけることは許されるとされますが、単に性別の違いのみで差をつけることはできません。

基本的には私生活上の行為に対する懲戒処分は、かなり慎重に取り扱う必要があり、私生活上の行為が会社にどの程度の影響を与えたかどうか、職責や立場を利用したセクハラになっているかなどにより扱いが異なるといえます。

処分を決定する際、よく就業規則にある「社内の秩序、風紀を乱し、または乱すおそれのあったとき」に該当するかどうかが検討される事となりますが、不倫行為事体が「特段の事情のない限りその妻に対する不法行為となる上、社会的に非難される余地のある行為」として「素行不良」に該当すると判断すれば、処分対象にもなり得るというわけです。

この場合、処分するとしても、「けん責、減給、出勤停止、懲戒休職」などの軽度の処分に止めるのが適用とされます。

【判例】
豊橋総合自動車学校事件・名古屋地判(S56.7.10)
繁機工設備事件・旭川地判(H1.12.27)
和田勉事件・東京高判(H16.8.30)
ケイエム観光事件・東京高判(H7.2.28)
白頭学院事件・大阪地判(H9.8.29)


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投稿日:2011/03/02
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