人事・労務の知恵袋

雇用・定年 雇用保険、国庫負担上げ見送り 財源2000億円の確保困難

日本経済新聞
財務省と厚生労働省は22日、失業手当などに充てる雇用保険について、国庫による負担(現行13.75%)の引き上げを見送る検討に 入った。
雇用保険法が本則で定める25%への引き上げを予定していたが、約2000 億円の財源を確保するのが難しいためだ。
当面は積立 金の取り崩しで対応し、労使で折半する保険料率もいまの水準を維持する。

政府は景気が回復基調だった2007年度に一時的な措置として雇 用保険の国庫負担率を13.75%に下げた。
失業者が減り、保険財政も改善していたことが背景にある。

ただ、雇用重視を訴える民 主党は国庫負担を25%に戻す方針を掲げ、マニフェスト(政権公約)にも明記。厚労省は来年度予算の概算要求で金額を示さない事項要求として引き上げを求 めていた。

雇用保険の財源は労使で半分ずつ負担する保険料と国庫負担(税金)で成り立っている。

国庫負担が増えると雇用 保険の財政は安定し、保険料率も低水準で維持することができる。
引き上げ計画の見送りは新たな財源の工面が難しいことを意味している。

併 せて厚労省は、雇用保険料率(賃金の原則1.6%)を1.2%に引き下げている措置を来年度も続ける。
景気の先行きが不透明で賃金も伸び悩んでい るためだ。

雇用保険の支払い急増などの際は積立金の取り崩しでしのぐ。
同保険の積立金は約4兆2000億円。
厚労省によ ると失業手当などの支出が仮に年3000億円増えても、積立金は15年度末に約2兆6000億円残る。

今年施行された改正雇用保険法に は、11年度から国庫負担率を元に戻すため今年度中に財源を確保するよう記されている。
政府はこの規定を削除し、引き上げを「検討」とした改正案 を来年の通常国会に提出する方針だ。
(以上、記事より)


企業が負担している雇用保険料には、労使折半分以外に失業手当な どの給付負担以外に公的助成金制度の負担も含まれています。

この公的助成金制度により、雇用調整を必要とされた企業への助成がされ、景気 悪化時の企業活動を支えてきました。

失業期間の長期化は、失業手当の受給者増加、会社都合による失業者の増加は、いずれも財源に影響しま す。

雇用のミスマッチが解消される事、景気回復により企業活動が活発になる事が、雇用保険財源維持・確保のためにも必要とされています。

投稿日:2010/11/24
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