人事・労務の知恵袋

採用 就職活動早期化 企業、学業への悪影響勘案

日本経済新聞
新卒採用活動の早期化は学生の学業に影響を与えるだけでなく、企業にとっても負の側面が小さくない。
例えば多くの企業が国際感覚を身につけた人材の採用に力を入れているにもかかわらず、就職活動がネックとなって海外に留学する学生数は年々減少している。
企業が優秀な学生をいち早く囲い込む従来の新卒採用は曲がり角を迎えている。

企業と大学が会社訪問や内定の解禁時期を申し合わせた「就職協定」が1997年に廃止されてから、大学生の就職活動開始時期は次第に早まっている。

現在は日本経団連が早期選考の自粛を促す「倫理憲章」を定めている。
ただ、「卒業学年に達しない学生に対して面接など実質的な選考活動は厳に慎む」との表現にとどまっているため、4年生になったばかりの学生に内々定を出す企業も多い。

多くの企業が国際競争を勝ち抜くための人材を求めているにもかかわらず、就職活動の早期化は学生の“内向き志向”を強める一因にもなっている。
2001年に約4万7000人いた米国への留学生数は08年に約2万9000人まで減少した。

企業は採用する学生を厳選する傾向を強めており「大手企業でも実際の採用数が計画数に満たないケースが増えている」(毎日コミュニケーションズ)という。

国立大学協会などはこれまでも経団連に対して採用活動早期化の是正を要請するなど、学業に専念できる環境づくりを訴えてきた。
一橋大学キャリア支援室の高橋治夫シニアアドバイザーは大手商社が採用時期見直しの検討を始めたことについて「夏休みを活用して就職活動に専念できるようになれば学生のメリッ トは大きい」とみる。

ただ、商社の一部には産業界で歩調が合わなければ優秀な人材確保に支障が出るとの慎重論も根強く、早期の見直しが実現するか流動的な要素もある。
(以上、記事より)

新卒学生の就職活動時期が早まっているのは現実であり、今年も来月から2012年向けの就職活動サイトがオープンされます。

今日のニュース記事でも、三井物産や三菱商事など大手商社は日本経団連に対し、企業の大学新卒者の採用活動時期を遅らせるよう呼びかけ、企業が採用時期の目安にしている経団連の「倫理憲章」の見直しなどを要請するとあり、就職人気の高い商社からの提案は、産業界で論議を呼ぶのではないかとされています。

就職活動時期は長期化になっており、例年秋頃からスタート、翌年1月からの説明会、大手企業の内定が4月~5月、その後中小企業の内定が7月頃と、ほぼ1年に渡り就職活動をしている形になります。

これでは学生の資質向上につながるとは思えず、企業側も通年で採用を行っていかなくてはいけません。

今回の採用活動時期を遅らせる形が現実となれば、学生側も就職活動に追われることなく、またじっくりと企業を見極められるようになります。

学生・企業双方にメリットがあるような見直しになるよう検討してもらいたいところです。

投稿日:2010/09/24
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