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年金・保険 公的年金の市場運用、3.6兆円損失 4~6月

8月31日 アサヒコム
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は30日、2010年度第1四半期(4~6月)の市場運用で3兆6584億円の損失が生じたと発表した。
収益率(運用利回り)はマイナス3.61%だった。
ギリシャの財政悪化などによる国内外の株価下落や円高が進んだことが影響した。

市場運用でのマイナスは、リーマン・ショック後の金融危機の影響で運用が悪化した08年度の第4四半期(09年1~3月)以来。

運用先は、主に株式と債券だが、外国株式がマイナス17.43%、国内株式もマイナス 13.93%と落ち込んだ。
運用資産の約2割の株式で、約4兆3千億円の運用損が生じたことが響いた。

リーマン・ショック後の金融危機で08年度の市場運用は収益率がマイナス10.03%となり、9兆6670億円の損失が生じた。
昨年度は株価が大幅に回復し、9兆円近い収益を確保して08年度の損失をほぼ取り戻していたが、今年度第1四半期で再び下降に転じた格好となった。

市場運用資産は計約97兆円で、今回の損失分と年金給付のために取り崩した分で昨年度より約5兆円減った。
(以上、記事より)

年金積立金の不足が相次いだ一昨年の年間損失が約10兆円。
今回の運用損失は3ヶ月で4兆円弱となっていますので、このまま回復基調に戻らなければ、一昨年よりも運用損失が出てしまうこととなります。

年金積立金の不足は、加入している企業の拠出金負担の増額にもつながり、退職金制度の運用存続にも影響を与えることとなります。

年金制度自体が長期的スパンで物事を判断しなければならないものである以上、企業が拠出する資金についても、予定利率を市場価値に合わせた適正な設定として運用するなど、積立不足を解消できる対策を真剣に講じていってほしいものです。

投稿日:2010/08/31
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