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人事・労務 労働審判、4年で4倍、過去最高に

7月29日 日本経済新聞
労働紛争の迅速解決のために導入された「労働審判制度」で、2009年の申立件数が過去最高を記録したことが、28日までの最高裁の調査で分かった。
全国で3468件に上り、導入4年で約4倍の伸び。
長引く不況で、給与未払いや解雇など雇用トラブルの急増が背景にあるとみられる。
通常の民事訴訟に比べ、短期間で解決できる利便性が魅力のようだ。

労働審判の解決は「3回以内の審理」が原則。結論が出るまでの平均期間は70日余りで、民事訴訟に比べ処理が早いとされる。
最高裁によると、導入された06年(4~12月)には877件だったが、07年は1494件と増加。
09年の申立件数も08年の2052件から7割増しで、1年目の4倍に増えたことになる。

09年の内訳をみると、解雇などを巡る地位確認が1701件と約半分。次いで賃金など1059件、退職金205件。

岐阜県の縫製会社で働いていた中国人実習生4人が、未払い残業代など約1000万円の支払いを求め、会社側が600万円を支払うことで調停が成立するなど、利用場面も多様化してい る。

日本労働弁護団の佐々木亮弁護士は「審判は比較的迅速に一定の結論を出してくれる。一方が反対すればそのまま流れ、徒労感だけが残りがちだった従来の労働調停に比べ、使い勝手は大幅に向上した」と評価する。

半面、利用急増に伴い裁判所側の人手は不足気味。各地裁は担当者増員を図っているが「増加のペースが速すぎて追いついていない」という。
(以上、記事より)


労働審判制度が導入されてから4年。
制度利用が一定の効果を生み出しているようです。

一番のメリットは紛争解決の期間が短く済むこと。
これは使用者・労働者どちらにも言えることです。

労働紛争が発生しないのが一番ですが、労働市場の不況も影響して件数が増加しているのが現実。

件数の約半数が解雇等に関する取り扱いへの不満となっています。

雇用契約が解消される場面では、双方の認識の違いから退職理由に異議を唱えるケースが多く、また使用者側が一方的に解雇し労働者とのトラブルになるケースも多くみられます。

紛争件数が減少する労働環境となるよう、企業と共に目指したいものです。

投稿日:2010/07/29
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