人事・労務の知恵袋

人事・労務 始業15分前に出社する“ゆとり新入社員”の、真面目じゃない理由

7月22日 日経トレンディネット
2010年度入社の新入社員が、明確な定義はないものの、一応「ゆとり第一世代」だと言われています。
先日、ある会社の新入社員数人にインタビューをしました。
彼らの話のなかで一番驚いたのは、会社の始業時間が9時半であるにもかかわらず、上司から言われたわけでもないのに、彼ら全員が9時15分に出社しているとのことでした。

もちろん、長引く不況や閉塞感のせいで、若者たちがクビを切られまいと、少しでも会社にしがみつこうと真面目なそぶりをするようになっていることもあるでしょう。
しかし、彼らが始業前に出社する本当の理由は、実はほかにあります。

「君たちは本当に真面目だね。僕が新入社員のときは、出社時刻ぎりぎりに来てたけどね」と彼らに言ったところ、「同期がそうしているから何となく」との回答が返ってきました。
詳しく聞いてみると、ある朝、彼らの同期の一人が、始業前にタバコを1本吸ってから仕事に臨みたいと、9時15分に出社し始めたそうです。

そして彼は煙草を吸いながら、同期にメールを送りました。「9時15分に出社したんだけど、会社に誰もいないよ~。暇だよ~」と。
近ごろの若者は、暇さえあれば、特に目的もなくメールを送り合います。

すると、彼が始業15分前に会社に来ているという情報がいつの間にか同期の間を巡り、ほかの同期もつられて、「何となく」、9時15分に出社するようになったというのです。
しかも、タバコを吸わない人まで、始業時刻前に喫煙室に集まるようになったのです。
(以上、記事より)

記事では、特に明確な目的があって早く出社し始めたわけでもなく、早く仕事に慣れようとしているわけでもなく、同調志向が大変強くなっている点にあるとしています。
また、なぜ同調志向が高くなり、空気を読むようになったのかを説いています。

この世代は、思春期にケータイを持ち始めた日本で最初の世代である、そして、ケータイによって彼らの間に継続性のある、幅広いネットワークができている世代といえます。

離れた場所にいても、年月が経った相手とでも、いつでもつながっている状態が当たり前の世代が、社会人となったわけです。

労務管理的にみれば、始業時間前から出社する事が、本人の意思で行われている以上は、特段問題があるわけではありません。
早い時間に出社して業務と全く関係のない事を行っていたりする場合は、別です。

周囲の人が早く出社してるから自分もではなく、せっかく早く出社するんだったら、業務に役立つよう自主勉強をするなど、将来に向けての啓発に励んだ方が自分のためにもなるんでしょうが、きっと意識が違うんでしょうね。

ただ、このような思考性を持っているというのを把握しておく事も、企業組織を考えていく上では大事な事ともいえるでしょう。

「近頃の若者は・・・」というセリフは、どの世代にもいえるという事です。


http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100720/1032421/?ST=hitken&P=1

投稿日:2010/07/22
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