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人事・労務 労災申請「心の病」が2割増 昨年度1000人超す、認定は減少

6月15日 日本経済新聞
過労が原因でうつ病などの精神障害を発症し、2009年度に労災申請した人が前年度比22.5%増(209人増)の1136人となり、初めて1千人を超え過去最多を更新したことが14日、厚生労働省のまとめでわかった。
このうち自殺した人は157人で、前年度より9人増えた。脳卒中などで過労死と認定された人は前年度から52人減り、106人だった。

過労自殺や過労死に詳しい川人博弁護士は、背景を「うつ病などの患者が増加する中で、療養生活に入って解雇されたため、労災補償が必要になる人が多い」と分析している。

精神障害のうち労災として認定されたのは、前年度より35人少ない234人で、認定率も3.7ポイント減の27.5%だった。

認定された234人を年代別に見ると、30代が75人と最多で、40代が57人、20代が55人と続き、働き盛り世代や若手が目立った。業種別では、建設業(15人)や運輸業・郵便業(13人)、情報通信業(11人)、医療・福祉(11人)などが多かった。

認定率低下について川人弁護士は「本来なら認定されるべきケースが認定されなくなっている」と指摘するが、厚労省は「統計の変動範囲内」と話している。

脳卒中など脳・心臓疾患の労災は767人(前年度比122人減)が申請し、293人(同84人減)が認定された。認定された労災のうち、過労死は106人で前年度から52人減少した。
(以上、記事より)


うつ病などの精神疾患を原因とする休職は年々増えてきているのは実感で、企業側としては、どの程度までの休職であれば対応ができるか、復職後のケアや、休職~復職を繰り返す社員など、様々なケースへの対応をしなければならないのが現実です。

大手企業であればEAPや復職プログラム等も充実していますが、中小企業では、発症の都度対応しているケースがほとんどで、人事労務担当者への負担も大きくなっています。

休職期間は企業体力や人材配置の影響が大きく、中小企業では半年程度の休職期間までがせいぜいというところも少なくなく、この休職期間が十分でない場合なども、労災申請数増加となっているといえます。

心の病は、個々人の差もあり、また外傷と違い、なかなか見つけにくいものです。

できる限り可視化すること、上司が意識をもって対応すること、等が企業のメンタルヘルス対策への第一歩につながります。


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投稿日:2010/06/15
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