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人事・労務 労働組合の組織率、34年ぶりに上昇 非正規組合員大幅増で0.4ポイント増え18.5%

労働組合の組織率が増えたとの気になる記事がありました。

12月11日 毎日新聞
長期低落が続いていた労働組合の組織率にようやく歯止めがかかった。
厚生労働省が10日発表した労働組合基礎調査(6月末時点)によると、労組の推定組織率(全雇用者に占める組合員の割合)は、前年を0・4ポイント上回る18・5%となり、1975年以来34年ぶりに上昇した。
雇用者数が減少する中で非正規雇用労働者の組合員が大幅に増えたことが要因だ。

労組の組織率は昨年、27年ぶりに前年と同率となり、回復傾向を見せていた。
背景には、失業率が過去最悪レベルで推移するなど雇用情勢が悪化する中、雇用維持を掲げる労組への期待が高まっていることがある。

調査結果によると、組合員数は1007万8000人(前年比0・1%増)で、組合数は2万6696と前年比で269の減。一方、雇用者数は同110万人減の5455万人だった。
雇用者減の中で組合員が増えたことが組織率を大きく押し上げた。
産業別では、宿泊業・飲食サービス業が同11・2%の大幅増。
卸売・小売業(同6・9%増)や運輸・郵便(同4・0%増)でも伸びが目立つが、建設(同3・1%減)や公務員(同3・1%減)は減少した。

雇用情勢が悪化すれば通常ではリストラなどで組合員が減るが、生産の落ち込みが目立った製造業では0・2%の減少にとどまった。
雇用調整助成金で大規模なリストラが避けられていることや、組合員ではなかった派遣など非正規労働者の雇用調整が先に進んだことが減少幅が小さかった理由とみられる。

一方、パート労働者の組合員は前年比13・7%増の70万人と2けたの伸び。
個人加盟の労組も組合員が前年比で7・8%増えた。
組合員の多くは非正規労働者とみられ、労組が非正規の組織化に力を入れたことが組織率の向上につながったとみられる。
労組の組織率は1949年の55・8%をピークに低下。75年に34・4%で前年を上回ったのを最後に下落を続け、83年に30%を切り、03年には20%を切った。

「地道な組織化の努力が実った結果だと思う」。
34年ぶりの組織率反転に連合の組織局担当者は喜びをかみしめる。
しかし、「雇用労働者が110万人も減っているのはショックだ」と取り巻く雇用情勢の厳しさに険しい表情になった。

連合は、07年の定期大会でパートや契約社員など非正規雇用労働者や中小零細の労働者への取り組みを最優先とする運動方針を決めた。
大企業の正社員や公務員中心の「正社員クラブ」とやゆされた運動からの転換で、流れが変わるきっかけとなった。
全労連など他の中央組織も個人で加入できる地域労組の活動に力を入れ、非正規の組織化に力を入れた。
(以上、記事より)

労働組合の組織率は20%を切ったまま減少傾向となっていましたが、ここにきて増加に転じたとのニュースは気になるところです。

派遣社員やパートの加入増加が加入数増加の要因となったのは想定されますが、それよりも気になるのは、個人加盟の労組も組合員が前年比で7・8%増えたこと。

企業からのご相談で圧倒的に多いのは、個人加盟ができるユニオンへ社員が加入していた事に関するものです。
特に20歳代の加入が多く、労働問題以外でも相談できる相手や仲間が欲しいとの理由で加入する人が増えているという現実を目の当たりにすると、一昔前の労働組合のイメージはなく、仲間作りのための組織と認識している人が多いといえます。

弁護士が未払い残業対策に乗り出すのでは?という気になる流れも合わせると、労務対策をしっかりできている企業とそうでない企業とで、大きく差が出てくる事に間違いありません。

労務トラブルは歯痛と一緒で、痛くなるまでがまんしてたり放っておいたりする事が圧倒的に多いです。
歯痛になってからの対処療法では遅すぎるのです。
事前のケアや定期メンテナンスで、ぜひ予防対策を講じてほしいと思います。

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投稿日:2009/12/15
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