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年金・保険 企業年金の利回り最悪に 日経平均8000円台で期末越え

4/1 NIKKEI NET

3月31日の日経平均株価の終値は8109円で、この1年間の日経平均の下落率は35%に達した。
株価の下落で2008年度の企業年金の利回りは過去最悪の水準。
銀行や生命保険会社の財務を直撃し、事業会社にも影響が広がった。
ただ8000円台は今年初めの時点である程度織り込んでいた範囲。
3月初旬に日経平均が7000円近くまで急落した際に懸念された、深刻な資金繰り不安などがおきる「3月危機」はひとまず回避した格好だ。

2008年度の企業年金の運用利回りが過去最低となったもようだ。
格付投資情報センター(R&I)が約140の企業年金(資産規模は約10兆円)を対象に推計した08年度の利回りは、3月30日時点でマイナス17.4%となった。
企業が株式の運用比率を下げるなどして、利回り低下に歯止めを掛ける動きが広がる可能性がある。
(以上、記事より)

厚生年金基金の運用利回りは、H18年度までバブルショック以降の景気低迷の影響を受け、特別掛金率※を平均20%代まで引き上げて運用をし積立不足分を補ってきていましたが、金融市場の上向き感より、H19年度から特別掛金率を10%台へ引き下げて形で運用を行ってきていました。

そこに昨年暮れから起きた株価引き下げが大きく影響し、予定していた運用では今後賄いきれなくなると、一度引き下げられた特別掛金率が再度引き上げられる可能性が高まってきます。

適格年金制度の廃止期限がH24年3月末と迫ってきている中、まだ他の制度への移管や廃止等の見直しを行っていない企業としてみれば、厚生年金基金からの脱退という事も想定されてくるでしょう。

※特別掛金
過去勤務債務等の費用を償却していくための掛金の事。
厚生年金基金制度で払い込む掛金のうち、制度発足時や財政再計算時(5年毎)に認識されたそれ以前の不足分を補てんするための掛金。
あらかじめ定めた一定の年数、もしくは過去勤務債務の残高の一定割合等で償却していく。

投稿日:2009/04/03
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