人事・労務の知恵袋

雇用・定年 派遣労働者 4割が正社員志向 自由より安定、見えぬ将来映す

1月22日 産経ニュース
人材派遣の業界団体、日本人材派遣協会が派遣労働者約1万3000人に実施した2009年度動向調査(速報)によると、4割強が、「正社員になりたい」と考えていることが分かった。
景気低迷による雇用環境の悪化で先行きが不透明なことに加え、政府は労働派遣の規制を強化する方針だ。
高まる将来不安の中で、安定した働き方を求める労働者が増えている。

調査では、「今後の希望する働き方」を尋ねたところ、最も多かった回答は「正社員」で、全体の41・6%を占めた。
「派遣」を希望する労働者は29・5%。
派遣先企業の社員になることを前提として働く派遣契約「紹介予定派遣」は11・1%だった。

09年度までの過去3年間をみても、正社員を希望する割合が年々上昇。
「派遣、紹介予定派遣」を望む割合は減少し続けており、09年度では、07年度調査と比べて約7ポイント減の40・6%まで低下した。

正社員の希望理由としては、「生活の安定」が目立った。
特に製造業・軽作業で働く派遣労働者に正社員への希望が強い。
08年秋の金融危機を発端とする世界同時不況で雇用情勢が悪化、自動車メーカーなど製造業を中心に行われた大規模な「派遣切り」も労働者の不安を高めた。

派遣を選んだ人は、「働きたい期間や時間を選べる」といった回答が多かった。
ただ、都合のいい働き方が選択できる半面、不安定な雇用形態を敬遠する層も徐々に広がっているようだ。

賃金については、平均時給額が1353円。
年収ベースで推定換算すると、260万円になるという。
07年度調査に比べて12万円の減少で、派遣労働者の就労条件が悪化していることがわかる。

政府は通常国会に、労働者派遣法の改正法案を提出する方針。
仕事があるときにだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」の原則禁止や、製造業派遣の原則禁止など規制強化が目的だ。規制が強化されれば、今後一層、正社員を希望する割合が高まる可能性もありそうだ。
(以上、記事より)

市況を反映した結果だと思います。
自身の都合に合わせた働き方ができるという点で派遣労働者として働くことを選択したものの、雇用形態と収入面の不安があるというのは表裏一体の事。
一方で、雇用調整として企業が利用してきた事も事実。

派遣法の改正案については、製造派遣・自由化業務の取り扱いや未就業期間中の派遣労働者の保護など派遣労働の根本が問われるものとなっており、この制度を利用する使用者・労働者双方が今後どのように派遣というものを扱っていくか、じっくりと再考をし、法改正の動向に注目していく必要がありそうです。

投稿日:2010/01/23
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