傷病休職していた社員が復職した場合に、残業をしない就業条件であったとしても、みなし残業代(定額残業代)を支払う必要があるのでしょうか。
 
現実的に残業ができませんので、本人同意のもと、定額残業代を支払わないとするのは法律に抵触するでしょうか。
 
休職から復職した社員であっても、実際の残業の有無に関わらず支給される「みなし残業=定額残業代」は支給しなければならず、これを外すことは不利益変更にあたるとされます。
 
ただし、労働基準監督署によって行政判断に違いがあり、みなし残業代(定額残業代)を不支給とする事はできないとする意見と、本人の同意があれば残業をしないことを前提に不支給とする事ができるという意見があります。
 
従い、本人同意の下、みなし残業代(定額残業代)を不支給とする場合は、現実にみなし残業代(定額残業代)以下の就業状況であれば、不支給とするか一定額に減額するという方法もとれるでしょう。
 
不支給するか一定額に減額する場合、みなし残業代(定額残業代)の比率が大きく支給される月額給与額が大幅に少なくなったり、元々残業してなく業務量も変化がないような場合は、やはり不利益変更とされる可能性がありますので、状況により慎重に判断する必要があります。
 
復職時の給与の扱いについては、手当を支給しない期間を事前に定めておくなどし、運用ルールを明確しておくと、同様の事例が今後起きた際にも対応がしやすい形となりますので、就業規則を見直す際にでも検討されてはいかがでしょうか。


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