IT経営における
採用選考での労務リスク

●採用選考での労務リスクの回避

■履歴書、職務経歴書だけでなく健康診断書も提出してもらい、事前に健康状態をチェックする
 ・健康診断書をどのタイミングで提出してもらうのか
 ・費用は会社負担か自己負担か

■エントリーシートを活用し、メンタル不全がないかをチェックする
 ・個人情報の取り扱い、面接時の差別的な発言に注意する

■採用選考の時点で、会社と応募者との間で労働契約は成立していないが、書類提出を求めるための便宜を図る意味で、通常は就業規則内に定めておく

■一度正社員として雇用したものを退職させることは、現行の法律や判例等から容易に行うことができないため問題がありそうな労働者は採用しないようにするのが、労務管理上では重要

■提出書類の消却については、個人情報保護に対応するためのもの
個人情報保護法2条5項に定められる保有個人データとすると、これを盾にし、自ら提出した個人情報についてクレームをつけてくる応募者が出ることが想定されることから 出された書類は消却する旨定めておく。

■採用時の注意点
 ・採用条件の誤認がないように、採用通知~入社承諾~雇用契約書の取り交わしを徹底
 ・個人情報取り扱いに関する同意も忘れずに行う
 ・営業情報、技術情報の漏えい防止のためには秘密保持誓約書を取り交わす
 ・社内で開発したツール・モジュール等の著作権譲渡についても事前に取り扱いを
  双方で認識しておく

企業が成長し、より生産性の高い集団や組織になるためには、より優秀な人材を確保することが不可欠です!ということは、誰しもが分かっています。
しかし、現実問題として、なかなか中小企業では思うような人材を確保できません。
その理由は、
「ウチは中小企業だから、優秀な人材は大企業に獲られてしまう」
「そもそも募集にかからない」
「採用を出しても入社しない」

など様々で、そのほとんどは確かにその通りです。

そこで、中小規模のIT企業にとって必要なことは、
いかに戦略的な人材採用をするか!!をいかに真剣に考えることができるか、です。
「いま忙しいから人を採用しよう」を繰り返していては、企業の成長は望めません。

 ・中長期的に必要となる人員やそれに合わせた人材採用
 ・2~3年のうちに必要な人材採用
 ・目先から1年で、すぐに必要な人材採用

が必要ですし、会社の戦略に基づいた人材採用を考え、

 ・どのような理由で、(戦略的人事)
 ・どのようなタイミングで、(募集時期)
 ・どのような告知をして、(媒体の選定)
 ・どのような人材を(求める人物像)
 ・どのくらいの期間働いて(雇用期間)
 ・どのようになってもらいたいか(キャリアパス)

を組み立てなければなりません。

人材採用でのリスクは、企業だけにあるものではありません。
もちろん、被雇用者にも相当のリスクがあります。
是非、雇用ミスマッチを起こさず、効率的かつ最大の効果をもたらす人材採用を実現してください。

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