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サラリーマンが入る厚生年金基金の積立金不足の全容がわかった。
全基金の4割の242基金で「企業年金」の積立金がなくなり、「厚生年金」の積立金も計約7700億円不足していた。
厚生労働省はこれまで51基金の不足だけを公表していたが、実態はより深刻だった。
厚生年金基金は、企業年金と、国の厚生年金の一部を代行して支給しており、公的年金制度の一角を担う。
全基金の現役世代の加入者と年金受給者は計約730万人。242基金は300万人前後とみられる。
不足している基金は、代行部分の積立金取り崩しなどで企業年金と代行部分を支給している。
だが、不足したままだといずれは払えなくなり、約束された年金額が大きく減る恐れがある。
厚労省はこれまで、2010年3月末時点で厚生年金の支給に必要な積立額の9割を3年連続下回った51基金だけを公表し、不足額は計約3660億円としてきた。
民主党の大久保勉参院議員が基金全体の資料を求め、10年3月末時点で積立金が不足している基金すべてをまとめた。
10年3月末時点の全608基金のうち、企業年金を将来にわたって支給するのに必要な積立金が不足しているのは363基金にのぼった。
なかでも242基金は企業年金の積立金がすべてなくなり、厚生年金の代行部分を将来にわたって支給するのに必要な積立金まで不足していた。
平均では、代行部分の積立金が約292億円必要なのに約32億円不足していた。501億円必要なのに265億円しかない基金など3基金が必要額の5割台、7基金が6割台、24基金が7割台、65基金が8割台だった。
積立金は株式などで運用しているが、07年の世界同時株安や08年のリーマン・ショックなどで多額の損失を被った。損失で積立金がほぼ半分に減った基金もあった。
不足分の穴埋めは運用で大きなもうけを出すか、企業が新たに負担するしかない。しかし、不足している基金には中小企業が多く、穴埋めのための追加負担は難しい。
厚生年金は国が保障しているが、基金の代行部分は企業に頼っており、払えなくなった場合の具体的な保障の仕組みはない。
このため、民主党は基金が代行部分を払えなくなった場合に備え、保障の仕組みなど対応策を検討し始めた。
厚生年金基金はピーク時には約1800基金を数えた。
しかし、バブル崩壊後の運用難などから、約束した企業年金を支給できなくなり、大手企業を中心に代行部分を国に返上する基金が相次いだ。
積立金が不足していると返上できないため、中小企業の基金が多く残っている。
2010年3月末で608基金あり、現役世代の加入者は計約456万人、年金受給者は計約272万人。現在は598基金。
(以上、記事より)
厚生年金基金の深刻な実態が明らかになったようです。
制度廃止に向けて適格年金の移行をする際に、中小企業を中心に積立不足に対する拠出ができない企業が適格年金からの移行に苦労をしました。
厚生年金基金も同様の状況というよりさらに深刻な状況といえます。
現時点で積立金もなく将来分もないとなると、体力のない中小企業では代行部分を払えず国に返上することもできず、また現在納付している保険料は単に穴埋めに補充されているという状況になります。
将来、厚生年金に上乗せされて支給されると思っていたものが全く見込めず、かといって脱退する事もできないとなると、加入している意味がありません。
保険料納付者と年金受給者のバランス、将来への不安を払拭するために、年金制度自体の見直しが急がれています。
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- 年金・保険 厚生年金基金、242基金が積立金不足 3百万人に影響も
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投稿日:2011/03/08
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