1月6日に労働政策審議会より、今後の高年齢者雇用対策に関する建議(政府に対する広義の意見)が出されました。
高年齢者の雇用については、老齢年金の支給開始年齢引き上げにより「無年金期間」が発生し得るという点から、無条件に65歳まで定年を引上げるよう義務化すべきか、現行通りに継続雇用対する企業側の条件付きで65歳まで雇用を確保するかが課題となっていました。
今回の審議会による建議では「現行の継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準は廃止することが適当である」として、65歳まで希望者全員の雇用を確保する」ものとされています。
(使用者側からは、引き続き継続雇用基準を設ける必要があり、現行の基準を維持できない場合には新た基準制度を認めるべきとの意見が出されています)
審議会の建議通りとなれば、60歳定年後65歳までの間、雇用を希望する者全員を雇用しなければならず、企業側の雇用維持に関する選択肢がなくなる形になるという事になります。
また「老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢が段階的に引き上げられる点を勘案し、雇用と年金の仕組みを確実に一緒にした場合には、できる限り長期間にわたり、現行の継続雇用対象者の基準設定を利用できる特例を認める経過措置を設けることが適当である」ともされており、年金施策によって継続雇用への諸条件が変わってくるとも考えられます。
いずれにしても2013年度から始まるとされる「無年金期間」に対する施策が講じられるでしょう。
すぐに定年を迎える従業員がいる企業や50歳代の従業員割合が比較的高い企業に限らず、若年層の採用を考えている企業も、人員バランスと人件費の見直しのためにも、退職金と継続雇用・賃金体系を見直しておくべきといえます。
労働政策審議会建議-今後の高年齢者雇用対策について
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/
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