人手不足や「売り手市場」が進む中、人材流出や社員を採用し続けることには企業にとって、大きなコストインパクトをもたらすため、リテンション(離職防止)に取り組むことは、どの企業にとっても重要になってきています。
アメリカの人材開発支援会社コーナーストーンオンデマンド経営陣によれば、企業の人事部門がすぐに始められる人材のリテンション戦略強化のためのポイントは以下の5つになります。
① 「成長できる機会」を可視化する
② 会社でのキャリアパスを確立する
③ 部下を育成する上司が評価される仕組みを作る
④ 社内でのキャリアチェンジの機会を作る
⑤ ラーニングや能力開発に投資する
「会社にトレーニングや能力開発制度がある」とい企業は38%であり、経営トップが人材育成を重視する社風を築いている会社は、収益の伸びが他社を2.7倍上回っているという調査結果もあります。
タワーズワトソン社の2016年調べによれば、日本企業の離職の理由は、「業務上のストレス管理」「上司やマネージャーとの人間関係」といった直面する課題や将来への不安などと受動的な項目が多いのに対し、企業が考えるリテンション施策については「キャリア向上の機会」「チャレンジングな業務内容」「業務上の裁量(自律性)」「新しいスキル習得の機会」、とポジティブな内容が多いことが明らかになっています。
離職の防止策を効果的にするには、企業側からキャリアやスキル向上に関する施策を行うことも重要だが、部下育成に対する評価や上司やマネージャーの部下への意識変化による風土改善にも取り組まれてはいかがでしょうか。
特に入社して3年未満の社員や優秀な社員でも転職したばかりの時期は、自分の力が本当に発揮されているのか、貢献できているのかが自分では測りにくいため、上司や同僚からフィードバックなどを通して「承認」することが重要になります。
「承認」力向上による、離職防止に取り組みませんか
https://www.nari-sr.net/media/seminar/20160412
参考)「社員が次々辞めていく会社」に足りない視点
http://toyokeizai.net/articles/-/190514