経団連は10月9日、就職活動のルールいわゆる「就活ルール」をめぐって、会長や副会長による会議を開き、企業の採用活動の解禁時期などを定めた指針について、再来年春の入社までを対象とした現在のものを最後とし、2021年春の入社分からは策定しないことを正式に決める方針です。
いわゆる「就活ルール」をめぐっては、昭和28年に経済界が当時の文部省や大学側と申し合わせたのをきっかけに60年余りにわたって何らかの形で示されてきています
経団連の決定を受けて今のルールはなくなりますが、経済界や大学側には、中小企業の採用面や学生への影響を最小限にとどめるべきだという意見もあり、新たなルール作りに向けて政府が経団連や大学の関係者も交えた協議会を設置することにしていて、採用面接の解禁時期を大学4年の6月以降などとする現在の日程の大枠を当面は維持する方向で議論が進むものと見られます。
経団連のメンバーではないIT企業やベンチャー企業や多くの外資系企業は自主規制には拘束されず、通年採用している企業が多くあります。
新卒一括採用から通年採用への流れになりつつあり、これによって大学と企業が競争すれば、企業の生産性が上がるだけでなく、大学にも活力が戻るだろうと分析する経済学者もいます。
新入社員と会社の採用選考ミスマッチや、長く会社で働くことのメリットがないこと等が理由で、入社後すぐに転職サイトに登録し、再び就職活動を始める新入社員が急増しているいわれています。
就活ルールが廃止になりますが、こうしたミスマッチがなくなるように企業としても従来型の年功序列型の人事評価制度や入社後の配属先の業務、会社に愛着を持ってもらう仕組みづくりを見直してもはいかがでしょうか。
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