独立行政法人労働政策研究・研修機構では、「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果を公表しました。
調査対象は、農・漁業を除く全国の従業員10人以上の民間事業所14,000ヶ所となっています。
ポイントは以下の通り。
・6割弱の事業所でメンタルヘルスに問題を抱えている社員がおり、その人数は増加傾向にある
・メンタルヘルスによる休職・退職者がいる事業所の3分の1が対策に取り組んでいない
・メンタルヘルス問題が企業パフォーマンスに負の影響を与えると約9割の事業所が認識
・メンタルヘルス対策に取り組んでいない事業所でも、過半数が「今後は強化する」
・産業別では、医療・福祉で76.6%、情報通信業の73.0%、製造業が67.9%と、企業規模に関わらず産業による特性として割合が多い
メンタルヘルスに問題を抱えている従業員がいるとした割合では、1,000人未満の事業所では規模に関わらず5割程度いるとしているなか、1,000人以上の事業所では不調者のいる割合が72.6%と上回っているという特徴がみられます。
これは企業規模の大きいところの方がメンタルヘルスケア対策を講じている割合も高く、不調者を発見しやすい環境にあるのも影響しているといえそうです。
産業別では、企業規模に関わらず特定の業種に不調者が多いという特徴がみられ、医療福祉のように業務そのものがキツイ、就労時間が長時間とされているものに片寄っているようです。
1ヶ月以上の休職・退職となった割合が高いのは情報通信業で7割を超え、他の5~6割前後に比較すると多い傾向があります。
メンタルヘルス不調者が現れる原因については、「本人の性格の問題」67.7%、「職場の人間関係」58.4%、「仕事量・負荷の増大」38.2%、「仕事の責任の増大」31.7%、「上司・部下のコミュニケーション不足」29.1%、「家庭の問題」29.1%、「成果がより求められることによる競争過多」12.6%などの順となっています。
企業規模別にみると、「仕事量・負荷の増大」を理由にあげる事業所の割合が規模が大きくなるほど高くなっており、また30人未満では「上司が部下を育成する余裕がない」「成果がより求められることによる競争過多」を理由にあげる事業所が平均を大きく上回っているのが目立っています。
「本人の性格の問題」は、1000人以上規模の割合が僅かに低くなっていました。
同じ程度のストレスがかかっても、その時々の置かれている状況によりメンタルヘルス不調となったりならなかったりと、個人の性格・状況にも起因するため難しいものではあります。
アンケート結果にあったように、企業のパフォーマンス低下を9割も認識していることから、日々の労務管理上でのケアが重要になってくるといえそうです。
「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」
http://www.jil.go.jp/press/documents/20110623.pdf
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- その他 企業の9割がメンタルヘルスと企業パフォーマンスの関係を認識
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投稿日:2011/06/27
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