人事・労務の知恵袋

人事・労務 管理職と管理監督者

4月から新たな組織構成でスタートされる企業が多いなか、

「管理職になったから残業手当がつかなくなる・・・」
「うちは課長職から管理職だから管理監督者扱いになる・・・」

こういう話、よく耳にします。

労働基準法の管理監督者と、いわゆる管理職といわれている立場とは似ているようで違うものです。

管理職とは、会社内での職制を表すもので、下位の労働者を指揮し組織の運営に携わるも のをいいます。

労働基準法の管理監督者とは、厚生労働省の通達により次のように厳密に定義されており、「経営者と一体的な立場」「責任と権限」「出退勤の自由」「地位にふさわしい待遇」などの条件を満たすものとされています。

「経営者と一体的な立場」
労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にあり、労働時間等の規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容となっていること。

「責任と権限」
労働条件の決定その他労務管理について、経営者と一体的な立場にあるというためには、経営者から重要な責任と権限を委ねられている必要があります。
「課長」「リーダー」といった肩書があっても、自らの裁量で行使できる権限が少なく、多くの事項について上司に決裁を仰ぐ必要があったり、上司の命令を部下に伝達するに過ぎないような者は、管理監督者とはいえません。

「出退勤の自由」
管理監督者は、時を選ばず経営上の判断や対応が要請され、労務管理においても一般労働者と異なる立場にある必要があります。労働時間について厳格な管理をされているような場合は、管理監督者とはいえません。

「地位にふさわしい待遇」
管理監督者は、その職務の重要性から、定期給与、賞与、その他の待遇において、一般労働者と比較して相応の待遇がなされていなければなりません。

上記のような責任と裁量をもつとされる管理監督者に対し、労働基準法41条では、労働時間・休憩・休日については適用しないとしているため、社内の職制である「課長」などの職を「管理監督者」扱いとし残業代を支給していない企業が多いという実態につながっています。

よく「係長」はダメで「課長」ならいいのかとの質問を受けますが、呼称で判断されるものではなく、「係長」であったとしても職務内容や権限をもっているのであれば、労働基準法の管理監督者に該当することになり、これらの職務内容や権限がどうなっているかが極めて大事な要素となります。

労働基準監督署の是正指導では、管理監督者を厳しく判断されます。

役職の呼称と労働基準法の管理監督者は別ものだとの認識が必要です。

しっかりマスター労働基準法・管理監督者編(東京労働局)
http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/shikkari-master/pdf/kanri-kantoku.pdf

労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/dl/kanri.pdf



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投稿日:2011/04/11
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