あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
新年にあたり、2012年の人事・労務に関する動向について考えてみたいと思います。
【雇用調整助成金】
2011年は、3月の東日本大震災により行政が当初予定していた各施策も変更され、雇用確保~安定を基本としたものとなりました。
ただ昨年後半からは、雇用確保のために予算増として対応してきた雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金を含む)の不正受給が増えてきたことから、聞取り調査ではなく実地調査が大幅に増え、違反摘発が積極的に行われてきました。
この助成金そのものの支給申請数は減ってきているものの、実地調査は過去に遡って行われている事から、当分は現状の傾向となると思われます。
【労働者派遣法の改正】
前年より継続審議となっており法改正は進んでいません。
法改正の内容そのものも、当初予定していた日雇い派遣や一般登録型派遣の制限が緩んだものと なっている事から、今後法改正が進んだとしても、大きな影響が出るという状況にはならないでしょう。
【契約社員等の有期雇用】
昨年12月26日に労働政策審議会が、契約社員等の有期雇用者に対する取り扱いに対する報告を提議しました。
来年の国会に提出し法案が通れば、労働契約法の改正となります。
主な改正点は以下の通り。
1.有期雇用の契約期間が5年を超える場合、本人の申し出により「無期雇用」に転換する(ただし、賃金や年金制度など雇用期間以外の条件は変更する必要がないとしている)
2.雇用契約期間が5年以内の労働者がいったん雇用先の企業を離れても、一定期間を経過すると、再び同じ会社と有期契約を結べる「クーリング期間」を原則として6ヶ月とする
3.有期雇用契約の締結そのものを制限すべきとする案は見送り
雇用確保・労働者保護の行政側視点からすれば、パート労働者と同様、不利益な扱いを極力排除したいというところでしょうが、固定的な雇用は企業の人件費負担に影響があり、かえって雇い止めが増える可能性が否めません。
また働く側もすべてが無期雇用を求めているとも限らず、多様な働き方を制限してしまう可能性もあります。
労働者=弱者、という固定的な構図からだけの労働関連各法の制限をするのではなく、労働時間ありきの考え方ではなく、時流にあった働き方を支援してくれるような法改正がされ、企業と労働者が対等な立場で労働契約を締結し、お互いに納得した形で労働を提供し、その対価として賃金が支払われ福利厚生が与えられるという形に進んでいくべきと考えます。
【健康保険、年金制度】
中小企業が主に加入している協会けんぽでは、3月分健康保険料より保険料率がアップされ10%を超えると予想されています。
健康保険と厚生年金保険料は本人と企業とが折半して負担するもので、健康保険料率は都道府県ごとに設定されています。
例えば、東京都では現行9.48%が10%となるとすると、保険料の計算元となる標準報酬月額30万円の場合で、月額保険料が30,000円(現28,440円)月額1,560円増となります。
上記以外では、メンタルヘルス対策としての健康診断受診項目の変更などもあり、企業に対して、より一層の労務管理を求められています。
厳しい事ですが、安易な人事・労務管理では足元を救われかねません。
企業力アップの意味でも、年初にあたり、ぜひ自社の人事・労務管理を見直して頂ければと思います。
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