2月27日 NIKKEINET
長妻厚生労働相は26日、2010年度から5年間の公的年金の運用利回り目標を設定しないことを決めた。
今の年金制度を前提にはじく予定利回りを目標として明記せず、現行制度と運用面で決別した格好だ。
4月からは利回り目標がないままで120兆円を超す年金積立金を運用する事態になる。
背景には年金運用のあり方を巡る閣僚間の対立もあり、公的年金の新たな不安要因となりそうだ。
厚労省は同日、独立行政法人評価委員会の年金部会に運用利回りを明記しない案を提示し、了承された。
同部会は大学教授や会計士などの委員で構成。運用の実務者はおらず、利回りを明記しない運用目標に質問をする委員はいなかった。(以上、記事より)
運用利回り目標を設定しない是非を、運用の実務者が参加しない中で決定されたことに不安を感じます。
長期的な視野にたった年金制度であり、政権が交代する度に制度の根幹に関わるような改正を行ってきているため、制度自体に矛盾が生じているのが現実です。
国民から預かった保険料の運用に関して運用目標も設定せず、実運用に任せた形となることのメリット・デメリットは、明確にしてほしいところです。
一方で、同日下記の記事がありました。
公的年金の運用利回り7.96% 09年4~12月
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が26日発表した2009年4~12月期の運用実績によると、市場運用利回りは7.96%で、運用益は7兆4086億円だった。
欧米の株式市場が好調で、運用益の半分超を稼いだ。
金融市場が落ち着いたことで08年度の運用損失の約4分の3を取り戻した格好だ。
運用利回りは内外株式、内外債券など全資産でプラス。
国内株はドバイ信用不安や円高による影響が響いたが、外国株がけん引役となった。
また10~12月期の運用利回りは1.73%で、09年第1四半期以来、3四半期連続のプラスだった。
(以上、記事より)
リーマンショック以降の運用損をカバーできたとの事。
運用利回りも下がる事なく運用がされています。
年金試算では、少子化と高齢者増により将来受け取る年金額の支給時期引き延ばしと支給額引き下げばかりが取り上げられ、実際の運用状況はなかなか知ることができません。
保険料を払い年金を受け取る権利があるこそ、ガラス張りにしていくべきではないでしょうか。
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- 年金・保険 年金運用、宙に浮く 厚労省が利回り目標の明記見送り
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投稿日:2010/03/01
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