厚生労働省は17日、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況、いわゆるブラック企業とされる企業への監督指導結果を公表しました。

【重点監督の結果のポイント】 
 
(1)重点監督の実施事業場:5,111事業場 
 
(2)違反状況:4,189事業場(全体の82.0%)に何らかの労働基準関係法令違反 

〔(1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場〕 
・違法な時間外労働があったもの2,241事業場(43.8%) 
・賃金不払残業があったもの1,221事業場(23.9%) 
・過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかったもの71事業場(1.4%) 
 
(3)健康障害防止に係る指導状況〔(1)のうち、健康障害防止のため、指導票を交付した事業場〕:
・過重労働による健康障害防止措置が不十分なもの1,120事業場(21.9%) 
・労働時間の把握方法が不適正なもの1,208事業場(23.6%) 
 
(4)重点監督において把握した実態 
重点監督時に把握した、1か月の時間外・休日労働時間が最長の者の実績: 
・80時間超1,230事業場(24.1%)うち100時間超730事業場(14.3%) 

違法な時間外労働と、時間外労働に対する賃金不払いの指導が目立ちます。


資料では、違反事例も公表されています。

正社員のうち7割程度を占める係長職以上の労働者を管理監督者としていたケースでは、係長職の半数程度が20歳代であったとの事。

年齢だけで制限されるものではありませんが、役職者の占有率からみても管理監督者として扱うには難しいでしょう。

不正な時間外労働では、パート社員が月間170時間の時間外労働を行っていた等がありました。

月20日勤務とした場合、1日の労働時間は16時間半となり、これでは日常生活にも支障が出る事は明らかです。

 
管理監督者の扱いについては、先日、弊社でも労働基準監督署からの是正指導に関する相談がありました。

店舗の店長は管理監督者にあたらないため、時間外労働相当分の賃金を支払うようにと指導されたとの事です。

是正指導に対し、組織図・職務権限・給与バランスなどから実態を確認した上で、管理監督者にあたると回答したところ認められています。


多くの場合、労働基準監督署が調査に入ると、何かしらの改善事項は出てきます。

すべてが悪質なものではないにしろ、法律を知らずに自己解釈で就労条件を定めていたりすると、是正するよう指導がされます。

今すぐ100%の改善が難しい場合であっても、少なくともどこに自社の課題・問題があるのかは把握しておき、ひとつずつ解決していく必要があります。


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若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000032426.pdf


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