働き方を見直す際の方法として、専門業務型・企画業務型の裁量労働制があります。
いずれの制度も、実働時間に関わらず労使協定で定めた時間を働いたとみなす制度ですので、例えば1日の実働時間が4時間であっても、所定労働時間が7時間と定められていれば、7時間勤務したとみなします。
このようなみなし労働時間の考え方は、労働基準法第4章の労働時間の計算に関してのみ用いられるものですので、みなしにより算定された時間が法定労働時間を超えたり深夜業になる場合には、割増賃金が必要となります。また、休憩や休日に関する規定も適用されます。
では裁量労働制が適用される従業員が欠勤した場合は、どうなるのでしょう。
欠勤した日は現実に労働していませんので「みなし労働した」とはならず、この場合は就業規則に基づいて勤務時間を計算する事になります。
結果として、月間所定労働時間に足りない場合に不足時間として控除するかどうかは、就業規則の定めによるところとなります。
不足時間に対し従業員本人が年次有給休暇を請求し、これを認めるかは会社により異なりますが、会社が一方的に年次有給休暇で充当する扱いは、年次有給休暇の請求権に反するものとなります。
裁量労働制を適用すると「何時間働いても所定労働時間働いたとみなす」事ができると思われがちですが、深夜勤務・休日勤務・欠勤などのルールを明確にした運用が求められます。
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