全国勤務可で採用した後、全国に配属される事を内定承諾の前に了承していたのにも関わらず、配属決定の際に、家族の都合や金銭的都合で現住地からの移動を拒否することは可能なのか、雇用契約上の問題はないのでしょうか?
まず、配属決定の根拠について就業規則に定めがあるか、本人との雇用契約が勤務地限定とするなど、配属に制限がある記載がないかの確認が必要です。
次に、今回の配属決定を有効とするために
1)業務上の必要があり
2)会社に不当な動機・目的がない
3)社員の受ける不利益の程度が著しいかどうか
などがポイントとなります。
本人に特段の事情がない限りは、配置転換の拒否は通常、業務命令違反ということで懲戒処分の対象となりますが、拒否した社員を直ちに懲戒処分とすることは現実として難しく、拒否した社員に対し説明と協議等を十分に行い、それでも拒否する場合にはじめて懲戒処分が可能となるでしょう。
個人的な好き嫌い、単に遠いから行きたくないでは、会社の業務に支障が生じてしまいますので、採用の段階で配置転換の実情と会社の方針を十分に説明し、さらに定期的に転勤可能かどうかの確認をしておく、または異動を検討する前に現状を確認するなどの対応が求められます。
参考)配置転換・異動の意義
http://www.jil.go.jp/hanrei/conts/036.htm