お客様との接待ゴルフをしている際に起きた事故やケガは労災の対象となるのでしょうか?
業務災害は、業務が原因で被った負傷、疾病、死亡のことをいいます。
労働災害として認定されるかどうかは、事業主の支配下にある「業務遂行中」に「業務に起因して」発生したものかどうかが前提となります。
東京労働基準局・労災保険審査官H9.3.1の認定では、「ゴルフ・コンペは仕事の一環」とみなし得るとして、営業担当の社員が顧客との商談を兼ねたゴルフ・コンペに参加するためゴルフ場に向かう途中に交通事故で死亡した事案があります。
しかし、多くの場合、労災と認定されることは少ないのが現状です。
過去の判例からみても、得意先の接待ゴルフ・コンペで負傷した場合、原則として業務上の災害を認められないとしています。
「接待ゴルフへの出席が業務の遂行と認められる場合もあることを否定できないが、しかしそのためには、右出席が、単に事業主の通常の命令によってなされ、あるいは出席費用が、事業主より、出張費用として支払われる等の事情があるのみでは足りず、右出席が、事業運営上緊要なものと認められ、かつ事業主の積極的特命によってなされたと認められるものでなければならない」(高崎労基署事件・前橋地判S50・6・24)
労災の認定は様々な背景や要因から判断されるため、似たようなケースでも認定されたりされなかったり、行政の判断が分かれてきますが、接待ゴルフでの負傷を業務上の災害と認定されるには一般的に難しいと考えられます。
労災と認定されるための要件に触れた行政解釈がありますので、ご参考ください。
運動競技出場に関する行政解釈(S32・6・3基発第465号)
1.出場が、事業の運営に社会通念上必要と認められること
(例えば宣伝等営業政策のうえに効果があると一般的に認められる場合等)
2.事業主の積極的特命によってなされたこと
(出張として、旅費、日当等が支払われ、当日が通常の出勤として取り扱われていること)
労災保険給付の概要(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/040325-12.pdf
上記内容に関連する「アドバイザリー」ページもご覧ください。
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