長時間労働の削減に向けた取組や悪質な企業に対する取り締まりのニュースをよく見かけるようになりましたが、先進国に比べて労働生産性低いと言われている日本では、小手先の残業削減では社員のモチベーションの低下や社内の空気を悪くする可能性があります。
望んでいるいないに関わらず、残業を減らし働き方を変えるのは社員社員に与える影響も大きく、残業ゼロだからといって、必ずしも社員が満足して働いているとは限りません。
今まで仕事一筋で働いてきた社員に対する急な残業禁止令は生活を一変し、就業後の時間の使い方次第では、家庭に居場所がないと感じ、仕事に対するモチベーションが逆になくなってしまうケースも珍しくありません。
ある化粧品会社では、残業禁止と共に業務の洗い出しを行い、社内で必要のない業務はアウトソーシングする体制を作り、ルーチンワークを行っていた時間を創造的な業務の時間に当てることによって、社員のモチベーションアップと社内の雰囲気作りに成功しています。
また、あるシステム会社の事例では、残業を半減するだけでなく、減った分の残業代を原資として目標達成度に応じた賞与を支払う制度を実施しました。
その後、残業代の一律支給方式を行い、「生産性を高め残業しないほうが得である」という社員の健康増進やモチベーションアップや生産性向上に結びついています。
ただ単に「時間管理をしっかりし、残業を減らしましょう」と発信するだけで、効率的に働き成果を上げている社員に報いる仕組みも作らず、機械的に半ば強制的に帰宅させるだけでは、「そう言われても終わらない」「人を増やしてほしい」と反論され、表面上の残業が減っても社員は満足しないでしょう。
社内のモチベーション低下や社内の雰囲気を悪くしないためには、経営トップや人事部門が社員の働き方や気持ちをしっかりと理解し、本気で残業削減に取り組む事により、社員が働きたくなる会社づくりにつながると感じます。
参考)「残業ゼロ」、実はつらい?
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/051100222/?rt=nocnt
働きたくなる会社づくりワークショップ(無料体験版)
https://www.nari-sr.net/media/seminar/20160412