人事・労務の知恵袋

人事・労務 管理職のあり方の変化

【執筆者】社会保険労務士法人スマイング コンサルティンググループ マネージャー 薄田 順矢

「管理職になりたくない」という若手、中堅社員がここ数年で急速に増えています。

リクルートマネジメントソリューションズ社の「新人・若手の意識調査」によると「管理職になりたい」「どちらかといえばなりたい」という回答では、2016年の新人は31.9%と回答し、3年目の若手、7年目の中堅でも、管理職になりたくないという回答が上回る結果になっています。

また、キャリアインデックス社の「有職者に向けた仕事に関する調査」でも、管理職になりたくない人の割合は、20代・30代男性は約5割、さらに20代・30代女性は8割を超える結果になっています。

管理職になりたくない理由は、「ストレスが増えるから」「責任が増えるから」「管理職に向いていないから」「ワーク・ライフ・バランスが大事なので」など、自分が大変になるからという回答が多く、厳しくなるビジネス環境のしわ寄せを一身に抱え込まされているにもかかわらず、それに見合うだけの報酬を得られず、管理職のやりがいも見えてこないといった根本的な管理職という存在に対する違和感が背景に挙げられます。

ミレニアル世代と言われる20代・30代は、SNSを中心としたコミュニケーションが基本にあり、「いいね」といった承認を重要視するなどの価値観や考え方を持ち、2020年には労働人口の約35%を占めるようになります

GE社では、めまぐるしい変化の中でも成果を出せるチームをつくることを目的に、部下を持つ社員のことを「ピープル・リーダー」と呼び、チームメンバーの強みを最大限に引き出し、協働によって迅速な課題解決を促す環境づくり、チーム、働く環境、仕事、成長の4領域においてのコミットメントを求める新しいリーダーシップ・スタイルを実践しようとしています。

また、脳科学者の黒川氏によれば、女性脳は男性脳と異なり、肩書きに魅力を感じず、「自分のために」出世したいとはあまり考えず、「誰か」を守る、育てる、立てるためであれば「やる気」が喚起される、と男性脳とはポイントとは異なるそうです。

若手の価値観や管理職そのもののあり方が変化してきており、女性活躍推進法の施行により、女性の管理職登用も求められています。

従来の指揮命令や人の管理を中心とした管理職像や、管理職を中心に動かしてきた企業のあり方も検討する必要があるかもしれません。

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https://www.nari-sr.net/media/seminar/20160412

投稿日:2017/12/11
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