人事・労務の知恵袋

就業規則 労働条件の変更

第●条(労働条件の変更)
この規則に定める服務規律および労働条件等については、法律の改正、社会状況の変動及び会社の経営内容・方法の変動等の業務上の必要性により変更することがある。

【今日のポイント】
1.一定の要件の下で労働条件の変更があり得る事を確認させる意味がある
2.企業規模によっては逆効果になる場合もあるので要検討


120503-2本来であれば、労働条件を変更する場合、特に労働者に不利益になる点については合意がなければ認められるものではありません。

一方で、企業が労働契約を解消するための「解雇」を行う事に法律上の制限もされているため、労働契約を解消する=解雇することは、一定の手続きを経ないと行いにくい状況にあるのが現実です。

そこで雇用を確保する代わりに、一定の要件を満たしていれば、労働者との合意によらず就業規則を変更する事で、労働契約内容=労働条件を変更する事を認めるものとしています。
(労働契約法第8条、第10条)

このような条文を定めなくても、上記のように一定の要件の下で就業規則を変更する事ができますが、変更する事があるという点を明確にする意味で、あえて定めるという目的もあります。

ただし、この条文は見方によっては、雇用を確保しているとも解釈できます。

会社の諸事情(企業規模・業種・労働者の公正・就業状況の実態など)により、解雇に関する解釈や有効性が異なるため、必ずしも本条を定める事が良いとは限りません。

企業規模が大きいほど、解雇権濫用に関する措置を厳しく求められる傾向にあるため、このような条文を定めても問題ないと思われます。

企業規模によっては、返って雇用確保と解釈される可能性も否めませんので、本条を定めるかどうかは、各企業の状況に応じて十分に検討する必要があるといえます。



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投稿日:2012/05/03
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