大企業で培った専門性を社外で生かしたいシニア人材と、経験豊富な大企業の人材を獲得したい地方企業の双方に潜在的なニーズがあるため、出向や研修の形で「お試し期間」を設けて、地方企業に赴任する動きが出てきています。
パナソニック、旭化成など約30社が、労使双方が合意すれば出向期間後の転職も視野に入れるなどの社内制度を導入し、丸紅やみずほフィナンシャルグループも導入を検討しており、「大企業から地方へ」が人材移動の一つの潮流になるかもしれません。
また、小田急電鉄、京王電鉄など私鉄10社と東京メトロ社が、家庭の事情などで転居せざるを得ず、就労継続が困難になった社員を相互に受け入れる取り組み「民鉄キャリアトレイン」をスタートしています。
民鉄キャリアトレイン制度において、入社の可否は受け入れ企業側が判断し、認可された場合は、転籍、出向など幅広い契約形態で入社でき、転居・転籍した人材が、過去に居住していたエリアに戻ってくる場合は、元の会社への復帰を認める場合も検討しています。
大企業に勤めた人材が「人生100年時代」のセカンドキャリアを描く舞台や、家庭の事情での転居・退職を申し出た社員の業界全体での人材流出の防止として、地方は有力な選択肢になりつつあります。
企業と対象の人材、受け入れ先の企業がきちんと話し合い、人材に求める能力や期待する役割を明確にすることが、これらの取り組みを活性化するには重要です。
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