総務省の2017年の就業構造基本調査により、家族の介護や看護のために仕事を辞める「介護離職」が年間9万9100人に上ることが明らかになりました。
安倍政権は「介護離職ゼロ」を掲げて施設整備などを進めているが、調査は5年ごとで前回2012年調査の10万1100人からほとんど減らず、深刻な状況が続いています。
介護離職者は、2017年9月までの過去1年間に介護・看護を理由に離職した人(育児・介護休業法による介護休暇をとった人は含まない)で、男女別では、女性が7万5100人で約8割を占め、男性は2万4000人となり、2012年調査と比べると、女性が6100人減る一方で、男性は4100人増えています
調査時点で、再び仕事を始めていた人は2万4600人で、7万4500人は仕事をしておらず、全体の離職者に占める介護離職者の割合は1.8%で、2012年調査より0.1ポイント上がっています。
会社などに勤めながら介護をしている人は、約300万人だった。このうち3割近くの人が、週6日以上とほぼ毎日、介護をしていることも明らかになっています。
介護は、「育児と異なり、いつまで続くかわからず、将来の見通しが立てにくい」「公的介護保険制度はよくわからない」ということに、仕事との両立に不安を抱えている社員が多くいると言われています。
一方で、企業側は社員の介護に関する実態を十分につかめていないという調査結果もあります。
また、介護が必要になった要因をみると、多い順に「脳血管疾患」「認知症」「高齢による衰弱」「骨折・転倒」となり、突発的で事前に予測しにくい要因も多くあります。
会社で社員の介護の実態について顕在化していない場合も、介護離職防止のための助成金もありますので、活用されてはいかがでしょうか。
平成30年雇用関係助成金のご案内
https://www.nari-sr.net/media/seminar/20170523