厚生労働省の「過労死等の労災補償状況」により、過労死や過労自殺(未遂を含む)で労災認定された人が2017年度は計190人になり、前年度とほぼ横ばい状態であることが明らかになりました。
くも膜下出血や心筋梗塞などの「脳・心臓疾患」で過労死した人は92人で、前年度より15人減ったが、仕事のストレスなどで「心の病」を患って過労自殺・自殺未遂をした人は14人増加の98人で、2014年度の99人に次ぐ過去2番目の多さでした。
過労死の業種別では、「運輸・郵便業」が40人で最も多く、「卸売り・小売業」が15人、「製造業」が14人と続き、年齢別だと最多は40代の41人で、50代の29人、30代の13人の順で多くなっています。
過労自殺・自殺未遂の業種別では、「製造業」が24人、「建設業」が21人と続き、年齢別は40代で36人、30代で26人、20代で16人の順で多くなっています。
過労死のうち時間外労働が「過労死ライン」とされる月80時間以上の人は9割、月100時間以上の人は5割を占め、過労自殺・自殺未遂では月80時間以上の人が5割を超えており、長時間労働が背景にあることも改めて浮き彫りになっています。
また、長時間労働に陥りやすいとされている「裁量労働制」で働いていた人の過労死で2人、過労自殺・自殺未遂で5人いました。
政府は2015年度に過労死をなくすための対策をまとめた「過労死防止大綱」を策定したが、その後も大勢の人が働き過ぎや仕事のストレスで亡くなる状況が続いています。
時間外労働の上限規制、勤務間インターバル制度の普及促進、医師による面接指導の時間要件の見直しなど、働き過ぎを防ぐ仕組みとして先日成立した働き方改革関連法に盛り込んでいます。
中小企業の時間外労働の上限規制は2020年4月になりますが、長時間労働の抑制については、人事制度や会社の仕組みなど、検討し始めてはいかがでしょうか。
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