第●条(二重就業の禁止)
- 社員は、他の職務に従事し、又は事業を営んではならない。ただし、会社の承認を事前に得た場合はこの限りではない。
【今回のポイント】
- 二重就業禁止は法律で制限されているものではない
- 副業の内容によっては禁止規定が有効になる場合がある。内緒にせずにまずは相談してみては。
多くの企業では、就業規則に二重就業を禁止する、いわゆる副業禁止規定を定めています。
副業禁止は、労働基準法で制限されているものではなく、会社のルールとして定めるものになります。
就業規則は会社のルールを定めるものですから、副業を禁止するというルールが定められたらこれに違反はできません。
とはいえ原則として就業時のルールを定めるものですので、退社後や休日の個人行動まで拘束されるかとなると、そこまでの拘束力はないでしょう。
副業していた事が会社に発覚したからといって、直ちに解雇処分等を行うと無効となる場合もあります。
しかし副業している事が原因で、遅刻や欠勤など勤務態度に影響が出たり、業績が悪くなったり、果ては会社に損害を与える事となった場合には職務専念義務違反にもなり得ます。
<副業禁止が有効とされた判例>
- 副業の影響で遅刻や欠勤が多くなった
- 競合する他社でアルバイトしていた
- 会社固有の技術やノウハウが漏えいされると判断された
- 会社の名前や名刺を使って副業を行っていた
- 会社の品位を落とすような風俗関連やマルチビジネスを行っていた
リーマンショック以降、昇給や賞与支給が思うようにならない企業では副業禁止を廃止し、逆に認めるケースもありました。
ワークシェアリングを導入している会社などもいきなり副業を禁止せず、通常の業務に支障が生じない範囲での副業を認めたりもしています。
副業を禁止している会社でも事情を説明すれば認める場合も多くありますので、内緒で副業せず、まずは相談してみるのも一考でしょう。
上記内容に関連する「社員も安心、会社も納得の就業規則」ページもご覧ください。
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