育児休業や短時間勤務制度の浸透によって、出産後も働き続ける女性が増えてきましたが復帰後に両立困難で辞めてしまうケースも見られます。
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、末子が1歳の子をもつ母に占める正規職員の割合は約32%ですが、子どもの年齢の上昇に伴い、小学校卒業頃にかけて低下傾向が見られます。5歳の子どもをもつ母における正規職員の割合は26.8%であるのに対して、6歳の子どもをもつ母では23.4%、小4から小6にあたる9歳から11歳の時期は23.0%にとどまっています。
パーソル総合研究所の調査結果では、小学生になってからも、勤務時間や休みのとりづらさ、子どもの教育や精神的ケアの問題で離職を余儀なくされていることが分かりました。子どもが小学生になると制度による支援が減りますが、子どもが小学生になっても勤務時間の短縮を含む柔軟な働き方を選択できる職場環境が必要と言えます。
同社の「ワーキングマザー調査」で正社員を辞めた理由を見ると、子どもの年齢によって特徴が見られました
子どもが3歳未満だったときの離職は「家族のサポート不足」、子どもが3歳以上の未就学児だったときの離職は、職場の理解不足や迷惑を掛けていることによる肩身の狭さといった「職場での居場所感の欠如」、子どもが小学生になってからの離職は、休みのとりづらさや残業の多さと言った「働き方の問題」と「子どもの教育・精神的ケアの問題」が特徴となっていました。
「小1の壁」。多くの企業で短時間勤務制度が適用されなくなる一方で、学童の預かり時間は保育園よりも短く、学童に入ることすら難しい状況が待ち受けています。
「小4の壁」。学童の受け入れにあたって小3以下が優先されるために放課後の子どもの預け先がなくなり、小4になると急に勉強が難しくなることで親のフォローが必要になること、という2つの側面があります。
離職防止の観点から、育児介護休業規程で、育児短時間勤務を小学校就学前まで、9歳までと定めたり、在宅勤務を認める企業も増えております。
社員も安心、会社も納得の就業規則
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