第●条(休職)
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社員が次の各号の一に該当するときには休職を命ずる。ただし、1号、2号および6号の休職事由が業務外の傷病を原因とする場合に、当該傷病が休職期間中の療養によって治ゆする可能性が低い場合には、休職を命じることなく普通解雇とする場合がある。
①業務外の傷病による欠勤が〇か月以内に通算〇〇日にわたったときで、その傷病が治ゆしないとき(治ゆとは、従来の業務を健康時と同様に通常業務できる程度に回復することを意味する)
②業務外の傷病により、常に所定労働時間の勤務ができない等完全な労務提供ができず、またその回復に一定の期間を要するとき
③公の職務につき、業務と両立しないと会社が認めたとき(公職休職)
④出向を命じられ、または会社の命令により他の法人・団体等の業務に従事するとき(出向休職)
⑤法令に定められた疾病にかかり、医師の診断により必要と認められたとき
⑥前各号のほか、これに準じる理由により会社が休職をさせることを必要と認めたとき
- 会社は、前項第1号に該当する社員に対して、医師の診断書を提出させ、また会社が指定する医師の診察を受けるように命じることができる。この場合、社員は正当な理由なく、これを拒否することはできない。
- 試用期間中ならびに入社1年未満の社員には、休職は与えない。
【今回のポイント】
- 休職は法律で決められたものではない
- 特に私傷病による休職では、休職指示をするまでの経過期間をどうカウントするかが大事
休職とは、社員が労務を提供することができない、または提供できない理由が生じた場合に、使用者(企業)が労働契約を残したままで労務提供を一定期間免除することです。
最近は私傷病休職、特に精神疾患による休職が増えており、復職できない場合の解雇猶予措置としての意味が重要となります。
休職と復職はセットで定められますが、この休職・復職とも法律で決められているものではなく、企業がどう定めるかにより内容も異なってきますので、休職をルールとして運用するには就業規則に定めておく必要があります。
では就業規則に休職・復職ルールが定められていない場合は、どうなるでしょう。
この場合、状況によっては解雇権濫用ともされかねませんので、私傷病により長期欠勤となっている社員を、すぐに解雇するのではなく、一定期間の欠勤を認め休職と同様の扱いをとってから解雇とする形にすべきと考えます。
欠勤を経て休職を指示する場合、欠勤期間をどうカウントするかという点もよく問題になります。
よくあるのは「欠勤となってから〇日経過した場合~」と定めているケースで、この形では、起算日がいつになるのか、一度欠勤状態から元に戻り、再度欠勤を繰り返した場合は、休職を指示する事ができないのか、など疑問が生じてきます。
この休職を指示するまでの欠勤期間をどうカウントするかについては、参考条文にあるように、一定期間内に一定数以上の欠勤が生じている状況であれば、休職を指示するという方法もあります。
休職期間中の社会保険料負担など、社員自身には相応の負担も発生します。企業側にも同様に負担が残ったままとなります。
休職・復職は、企業規模や実情に応じて個別に設定するものといえます。
上記内容に関連する「社員も安心、会社も納得の就業規則」ページもご覧ください。
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