情報処理推進機構(IPA)は2023年2月9日、企業のDXの動向や課題を分析した「DX白書2023」を公開しています。
DXの進捗に関する調査結果を見ると「DXに取り組んでいる」という日本企業の割合は69.3%となっており、前回調査(2021年度調査)よりも13.5ポイント増加していますが、「全社戦略に基づいてDXに取り組んでいる」という企業の割合は54.2%となっており、米国企業と比べると13.9ポイント低く、成果に注目しても、「DXで成果が出ている」とした日本企業は58.0%に対し、米国企業は89.0%と大きく差が開いています。
成果が出た取り組み内容について見ると「データのデジタル化」「業務効率化」などの項目については日本と米国で大きな違いはなく、「新規の製品やサービスの創出」「ビジネスモデルの変革」といった項目での差が目立っており、IPAは「日本企業のDXは、デジタイゼーションやデジタライゼーションの領域で成果は上がっているものの、顧客価値の創出やビジネスモデルの変革といったトランスフォーメーションに関しては成果創出が不十分な状態だ」と分析しています。
DX推進人材が「充足している」と回答した企業の割合は日本はわずか10.9%だったのに対し、米国は73.4%となります。DXを推進する人材像の設定状況については「(人材像を)設定し、社内に周知している」という企業の割合は、日本は18.4%だったが米国では約半数(48.2%)となり、IPAは「人材の獲得や確保を進める上では漠然と人材の獲得・育成に取り組むのではなく、まず自社にとって必要な人材を明確化することが重要だ」と分析しています。
IPAのコメントにもある通り、まずは自社が求める人材像を明確にすることが重要になります。
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