Chatwork社の調査により、中小企業(従業員規模300人未満)の4割以上が、DX、リスキリング、SaaSそれぞれに対して「聞いたことがない」と回答しており、SaaSについては70.6%が「聞いたことがない」と回答しており、DXとリスキリングと比較して、一層認知度が低いことが明らかになりました。
デジタル化を推進するうえでの課題の回答を、社長とバックオフィス担当者別で集計したところ、最多は「金銭面のコストが大きい」(社長:34.3%、バックオフィス:35.6%)でしたが、2位以降は回答傾向に違いがみられたようです。
社長側の2位は「導入しても効果が分からない・評価できない」(26.8%)、3位は「時間やコストをかけて取り組んでも、効果を得られるイメージが湧かない」(24.8%)となり、バックオフィス側の2位は「社内に詳しい人がいない・旗振り役がいない」(28.3%)、3位は「従業員への浸透・教育が難しい」(27.7%)になります。
経営者はそもそも課題感がないことや、効果が分からないことを挙げていますが、バックオフィス担当者は人手不足や教育不足を課題視していることが分かります。
先日、SaaSの利用が前提での給与計算アウトソーシングのお問い合わせがあった事例(IT業界以外の業界)になります。その企業のバックオフィス担当者は、転職先での紙やエクセルなどでの委託先とのやりとりを切り替えたいようでした。後日、SaaSのトライアルも進んでいたようですが、社労士事務所側で提供する給与計算システムを利用したアウトソーシングに方針変更となったと連絡がありました。
本調査結果にもあるように、経営層に課題感がないことや効果が分からないこと、コスト面などから方針変更になったのではないかとも思われました。
IT業界ではSaaSの導入が進んでいますが、IT業界以外の中小企業では経営者とバックオフィス担当者の意識の違いもあるのかもしません。
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