東京商工リサーチ社は「賃上げに関するアンケート」調査の結果を発表しており、2024年度に賃上げを予定している企業は85.6%で、定期的な調査を開始した2016年度以降の最高を更新したことが分かりました。
賃上げの予定を規模別にみると、資本金1億円以上の大企業は93.1%と、資本金1億円未満の中小企業の84.9%を大きく上回っており、産業別にみると、製造業が最も高く88.6%、不動産業が最も低く76.0%となっています。
賃上げを予定している企業の内容では「定期昇給」(81.5%)が最も多く、順に「ベースアップ」(62.5%)、「賞与(一時金)の増額」(43.3%)、「新卒者の初任給の増額」(26.2%)、「再雇用者の賃金の増額」(12.0%)となります。
規模別にみると、「定期昇給」は大企業が85.1%に対して中小企業は81.1%、「ベースアップ」は大企業が67.4%に対して中小企業は61.9%と大企業が上回っていますが、「賞与の増額」は大企業が38.6%に対して、中小企業は43.8%と中小企業が上回っています。東京商工リサーチ社は「基本給に関わる賃金の底上げは長期の負担となるため、中小企業では賞与の増額で賃上げに対応する傾向が続いている」とコメントしています。
2023年のパーソルキャリアの賃上げに関する調査では、賃上げのために実施した施策は「人事制度の改定」が最も多く挙げられていました。
どのように賃上げを実施したらいいか悩まれている企業は、人事制度の改訂や新たな導入を検討されるのも一考です。
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