10月18日 共同通信
中小企業の従業員や家族約3500万人が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)が、来年度の保険料率(労使折半)を現在の全国平均8・2%から同9・5%に引き上げる必要があるとの試算をまとめたことが17日、分かった。
9月時点では9・0~9・1%の見込みだったが、不況に伴い一層の収支悪化が予想され、収入不足を補うために保険料のさらなるアップが必要になった。
ただ、中小企業のサラリーマンの大幅な負担増となるため、現実的には上げ幅の抑制や段階的な引き上げなどの措置を取るとみられる。
今回の試算は、19日に開かれる同協会の運営委員会で報告される。
景気悪化で加入者本人の平均給与が9月時点の予想よりもさらに下がる見通しとなり、それに伴い保険料収入の不足が膨らむことが判明した。
保険料率が仮に9・5%まで上がると、加入者本人の負担は平均的な給与(約28万5千円)の場合で、現在より年間2万5千円程度増える。
厚生労働省は負担軽減のため、来年度予算の概算要求で協会けんぽに対する国庫補助の増額を盛り込んだ。
国庫補助は現在は医療給付費の13%だが、健康保険法では本来16・4~20・0%と定められており、厚労省は最高の20・0%まで引き上げたい考え。
そのためには3,700億円と巨額の追加財源が必要で、仮にそこまで補助を増やしても保険料率を9・0%に抑えるのがやっと。
ただ、今回の試算は2009年度の積立金不足1,500億円を単年度で取り戻すとの前提のため、同協会は数年かけて財政を健全化させるなどの方法で急激な保険料アップを抑えたい考えだ。
(以上、記事より)
加入している企業で支払われている給与額が減額されると、これを基準に計算される保険料額も結果的には減少する事となります。
賞与支給額も昨年より落ち込むとされている分を影響必至といえます。
とりあえずは国庫補助で補填するようですが、最終的に予算が足りなくなれば加入している企業と従業員への負担が増える事になるわけで、景気対策も必要、雇用対策も必要と、どれひとつ良い方向に好転していけない状況の難しさがあるように感じます。
財源といえば、来年度の政府概算予算額が過去最高の95兆円とのニュースが流れる一方、税収見込みが40兆円程度とのニュースも流れ、あまりにも予算案との開きが大きく、官僚側と政府側が、どこまで圧縮財政とマニュフェスト実現のバランスを取る気でいるのか疑問をもってしまいます。
国民に負担を強いることなく手当支給や無料化を進めるという、選挙で勝つために並べた公約を実際に実現するためには、今年の政府予算も大きく超える額が必要となるという事は、当初から分っていたはず。
来年1年で公約のすべてを実現するのではなく、来年以降の公約実現スケジュールと内容の説明をじっくり行い、国民に理解をしてもらう方が先決ではないでしょうか。
民主党に投票した方々も、これ以上、国が借金を背負ってまで公約の実現・実行を望んでいるとは思えないですし、思いたくはありません。
人事・労務の知恵袋
- その他 健康保険料9・5%にアップも 来年度、協会けんぽ試算
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投稿日:2009/10/18
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