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裁判・判例 「いじめでうつ病」認定/東京地裁、自殺の男性に

首都圏で飲食店などを展開する「小田急レストランシステム」(東京)の社員が自殺したのは職場のいじめなどでうつ病を発症したのが原因だとして、遺族が労災と認めなかった行政処分を取り消すよう求めた訴訟の判決で、東京地裁は5月20日、うつ病発症や自殺が業務と因果関係があると判断、処分を取り消した。

この社員は1998年4月に自殺した男性=当時(51)。
白石哲裁判長は「部下から虚偽のビラなどをまかれ、内容をめぐって取引先とのトラブルを抱えた上、会社からも詰問を受けるなどした」と指摘した。

判決によると、男性は本社の給食事業料理長だった1997年ごろから、職種を契約社員からパートに変更された部下らの嫌がらせを受けるようになった。
男性は1998年4月、それまで27年間勤めた同じ職場から配置転換させられ、直後に自殺した。

遺族側の川人博弁護士は「部下によるいじめを自殺の原因と認定したのは評価できる。
職場にはさまざまな形のハラスメントがあり、使用者の労務管理にも警告を与える内容だ」と話している。
(以上、共同通信記事より)

職場内でのいじめは、実体の具体的事実の把握が難しいため、被害者本人からの訴えをいかに明確にできるかが課題となります。
また、加害者である社員を直接処分しても、事態を収束させる事が困難なケースも多く、かえっていじめが増長される事となるケースも少なくありません。

加害者である社員に対する事実確認で、明らかな不法行為があった場合には懲戒処分もあり得ますが、まず企業=事業主に求められるのは、いじめが原因で業務が停滞することのないよう、社外に相談機関を設けて、社員が訴えをしやすい環境を整えるなど、職場環境を維持する事ではないでしょうか。

投稿日:2009/05/27
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