5月13日 NIKKEI NETより
契約期間が残っているのに減産によって休業扱いとし、賃金を6割に減額したのは不当として、いすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町)の元期間従業員(47)ら3人が契約期間中の賃金全額支払いを求めた仮処分申請で、宇都宮地裁栃木支部は12日、いすゞに全額支払いを命じる決定をした。
3人への支払額は計約80万円。
橋本英史裁判官は決定理由で「一方的な減額は労働者側にとって過酷で重大な不利益」と指摘。
休業日数が少なく賃金が減額されなかった正社員との待遇の違いについて「両者の差別について合理性を認めることは困難。営業、経常利益は黒字で、経営状況は健全である」とした。
原告団は記者会見で「完全勝利であり、感激している。いすゞには素直に非を認めてもらいたい」と喜びを語った。
一方いすゞは「内容を見ていないのでコメントできない」としている。
栃木工場では当初解雇予告をしたが、後に撤回。残り期間は休業扱いとし6割の賃金を支払うことを申し入れていた。
(以上、記事より)
期間雇用者の契約期間中に、一時休業による給与減額の扱いが合理的かどうかが問われています。
一時休業を行うにあたり、非正規労働者から雇用調整となり、その後に正社員の調整を行っているのが通常です。
非正規労働者と正社員の処遇差に合理性を認め難いとされていますが、どの程度をもって合理性があるとするのか検討の余地があります。
経営状態が健全であるという前提があるものの、期間雇用者と正社員との休業状況や一方的な休業扱いに対する判決として注目しています。
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- 裁判・判例 元期間従業員の賃金減額、いすゞに全額支払い命令 宇都宮地裁
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投稿日:2009/05/13
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