3/25 NIKKEI BizPlus他記事より
厚生労働省は3月25日に開催した労働政策審議会(構成労働大臣の諮問機関)の分科会に追加の雇用対策の具体案を提示しました。
残業の大幅な削減で従業員の雇用を守るワークシェアリング(仕事の分かち合い)を導入した企業に、非正規労働者1人当たり最大で年45万円を助成するとの事。
派遣労働者を保護するために派遣先企業などが守るべき指針も強化し、年度内の実施を目指すようです。
政府、日本経団連、連合は3月23日に、労使で合意した「日本型ワークシェアリング」を、政府が雇用調整助成金で支援することで合意しました。
与党も追加の雇用対策でワークシェアリングを支援する対策を打ち出しており、早急な対応が求められていたところです。
審議会が示した案では、労使が進めるワークシェアリングを支援するため、国が休業手当の一部を支援する雇用調整助成金に新たな枠組みを創設。
新制度は「残業削減雇用維持奨励金」(仮称)。
従業員の休業手当を助成する「雇用調整助成金」のなかに新たな枠組みを作り対応。
急速な雇用悪化への緊急対策で、3年程度の時限措置となるようです。
生産量や売上高が直前または前年同期比で5%以上減っている企業などが対象となり、残業時間を2分の1以下に減らし、雇用を維持した期間社員や契約社員1人あたり年30万円(大企業は20万円)、派遣社員は45万円(同30万円)を各100人を上限に支給します。
(以上、記事より)
雇用調整助成金の支給要件が一段と緩和されてきている中、今度は、ワークシェアに対する助成金支給が検討されているようです。
そこまで企業業績が悪化しており、正社員雇用も守られにくい状況になっていきているともとれそうです。
若年層ではワークシェアに賛成する割合が多く、中高年齢そうでは否定的な割合が多いとも聞きます。
育ってきた時代や環境が影響しているともいえそうですが、一定の雇用を守るには有効ともいえそうです。
企業側とすれば、ワークシェアを導入しても業務に支障が生じない事と、雇用確保と人件費抑制のバランスが課題となると考えます。
人件費の観点からは、大多数を占める正社員雇用を確保しながらも、コストとしては抑えたいというところが本音でしょう。
今回の助成金案は、期間社員・契約社員・派遣社員が対象で正社員は対象外となっているという点で、あくまでも不況下での期間雇用者に対する雇用対策という観点から抜け出してなく、海外で導入されているような正社員感でのワークシェアという発想ではないのが、どうしても、その場しのぎ的な印象を受けてしまいます。
人事・労務の知恵袋
- 助成金 追加雇用対策、ワークシェア導入企業へ1人最大年45万円助成
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投稿日:2009/03/26
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