昨年12月25日付の厚生労働省発表の調査に「職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会」というのがあります。
具体的には、精神障害を引き起こすストレスとして職場内にどのようなものがあり、それによりどの程度のストレスを感じているかを時系列に調査した結果や、精神障害による労災申請状況などが報告されています。
まず注目したいのは、職場内でストレスを感じるもの上位10項目。
1.会社が倒産した
2.上司から強度の叱責を受けた
3.職場でいやがらせ、いじめを受けた
4.職場で暴行を受けた
5.自分の関係する仕事で多額の損失を出した
6.納得のいかない人事査定を受けた
7.仕事が忙しすぎる
8.顧客や取引先から無理な注文を受けた
9.1ヶ月以上にわたって休暇が全く取れなかった
10.仕事をする上で、職場の協力体制がない
次に精神疾患による労災申請状況。
請求件数は133件増、認定件数は63件増といずれも増えています。
職場でストレスを感じるものは、会社の倒産を除くいずれの項目について、本人の資質に起因するだけではなく、組織上にも課題を抱えていると考えられます。
目につかないところでの嫌がらせ、業務負荷の分散、職場での協力体制など、組織体制に手を加える事で解決できる可能性が高いものといえるようです。
自社に置き換えてみると、このようなストレスを抱えている社員をどうやって見つけるようにするか、見つけた場合の対処をどうするかなどの仕組みを検討する必要があるでしょう。
当事者本人が弱いからだと決めつけてしまってばかりは、会社としての解決策は見い出せず、その都度、対処療法的に事を済ませ取りあえず何とかその場をしのぐ事の繰り返しになってしまいます。
どこの会社においても精神疾患を抱える社員が増えているとう現実を見据え、自社内組織全体としてどのように手を売っていけばいいのか十分に考え、対策を講じていく事が必要とされています。
職場における心理的負荷評価表の見直し等に関する検討会(第1回)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/12/s1225-11.html