6月3日 asahi.comより
正社員と非正社員の時給格差は20代前半で約1.3倍だが、50代では約2.5倍に広がるとの結果が出ました。
非正社員は勤続年数が賃金に反映されにくいため、年代が上がるほど正社員との格差が開いていく傾向が浮き彫りになっています。
2007年厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、年間の給与総額と総労働時間から時給を割り出したものとの事。
20代前半の正社員の時給が1,395円なのに対し、派遣や契約社員などフルタイムで働く非正社員は1,115円、パートやアルバイトなどの短時間労働者は957円。
50代前半では正社員の時給が2,996円まで上がるのに対し、フルタイムの非正社員は1,213円、短時間労働者は1,018円にとどまっています。
勤続年数と時給の関係を分析したところ、正社員は勤続年数が1年延びるごとに時給が113円上がるのに、非正社員は50円しか上がらないという。
一方、非正社員の平均勤続年数は50代前半で7.2年と正社員の約3分の1しかなく、賃金の上げ幅と雇用期間の両面で非正社員の待遇が低く抑えられている実態がうかがえます。
1990年代後半からの不況期に企業が正社員の新卒採用を絞ったため、若年層では非正社員の割合が急増しています。
「職業能力を高める機会を得られない若年労働者が年齢を重ねれば、賃金の二極化はさらに進む」「企業にとっても非正社員の増加は、職業技術を持った人的資源が蓄積されず、長期的に競争力を低下させていく要因になる」と推測しているようです。
一方、専門的な129職種別の時給の比較では、パイロット6,899円、大学教授5,882円、医師5,228円の順に高い結果となっています。
(以上、記事より)
正社員と非正社員(派遣・契約社員・パート・アルバイト)との時給格差が具体的に分かる記事です。
雇用期間の待遇が低く抑えられているとありましたが、長期で働く非正社員がいる一方で、個人的事情により長期就労を望まない社員もいるのも現実です。企業側が非正社員である事を理由に、雇用契約更新を行わないケースも中にはあります。
短期での労働力確保の目的からスタートしている非正社員処遇のため、その分給与単価が低めに抑えられているのは致し方ないかもしれません。
4月からパートタイム労働法が改正され、正社員と同様の処遇を求められるケースが出てきています。
正社員に求めるもの・非正社員に求めるものを企業側が明確にし人材確保を行う一方で、働く側もどのような雇用形態で就業するのが自分のライフワークにマッチしているのかを選択する時代になりつつあるようです。
人事・労務の知恵袋
- その他 正社員とパート・アルバイトの時給格差、50代は2.5倍
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投稿日:2008/06/05
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