「病気で休職中の社員と連絡が取れません。休職期間の満了期限も迫っているので、今後の対応に困っています。。。」
連絡が取れなくなってしまった原因はどこにあるのか、また、今後の対応はどのようにすればいいのでしょう。
休職・復職のルールは法律で規定されているものではないため、就業規則上でどのように規定するかがポイントとなります。
休職の考え方として「休職期間は解雇の猶予期間であり、労働者は健康を回復するために療養に専念する義務がある」というのがありますので、労働者は療養に専念しなければならず、休職期間中だからといって全く連絡が取れない状態になってもよいというものではありません。
休職中も会社との労働契約は存在している以上、会社は休職者の状況を把握しておく義務があります。
私傷病による休職、特にメンタル不全による休職では本人からの申請や請求に応じて休職を認めるケースがみられますが、会社側が就労状況を確認した上で、必要に応じて医師の診断書や産業医の意見をもとに「休職させるべきかどうか」を判断し、必要に応じて「休職するよう指示」します。
休職を指示するにあたり、休職期間中の取扱いについて「書面」で通知をします。
書面での通知がされず口頭で休職を承認する形をとっていると、休職期間中や満了時の扱いがあいまいになってしまいがちです。
休職を指示する際の書面には、
1)休職期間
2)期間中の連絡方法
3)社会保険料など本人が負担するものの支払い
4)復職する際の判断基準
5)休職期間満了時の取り決め
を具体的に明示をします。
休職期間中の連絡方法・タイミングとしては、最低でも月1回はメール・電話で連絡をするようにします。
復職時期が近づいている場合は、復職可能かどうかの見極めも必要となるため、月2回程度に増やしていくのも一方法といえます。
休職期間中の連絡方法について取り決めをしても、一向に連絡がとれないという時は、電話やメールでの連絡を取りつつ書面での通知を何度か行い、それでも連絡が取れない場合は、身元保証人や家族に連絡を取る事になります。
残念ながら連絡が取れず休職期間満了時期となってしまう場合は、最終的な連絡期限を設け、これを過ぎたら退職扱いとする旨を書面で通知します。
書面受け取りを拒否していない限りは本人に渡っているものとして扱い、退職の手続きを進める事とします。
書面も受け取らず連絡が取れないままであれば、就業規則の規定により退職扱いとし処理します。
厳密には公示送達等の手順を踏むべきなのでしょうが、実務上ではそこまで行う事はまずありません。
連絡が取れないから即解雇だ!とする事はできず解雇権濫用にあたります。
1)マメに連絡を取れるような方法・状況を双方で認識した上で休職してもらう
2)本人からの連絡を待つだけでなく会社側からも連絡を取るようにし本人を気にかけている姿勢を示す
などの対処が求められます。
上記内容に関連する「社員も安心、会社も納得の就業規則」ページもご覧ください。
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