【今回のワンポイント】
1.就業規則で支給要件を具体的に規定する
2.申告内容は必ず確認、万が一の場合は返還してもらえるようなルール作り
通勤交通費の不正受給を防ぐためには次のような手段が考えられます。
【通勤交通費を現金(給与と併せて支給する)で支給する場合】
1)就業規則・給与規程で、通勤交通費の支給に関するルールを設ける。
2)入社時および住所変更時に「通勤手当支給申請書」を提出してもらい、申請書では通勤経路と通勤定期代を申告してもらう。
3)本人から申請のあった金額や距離を会社側も必ずチェックをし、妥当かどうかを判断する。
4)定期券のコピー提出を義務付ける。
5)不正行為が発覚した場合の返還請求期間、懲戒処分の内容などを就業規則等で規定する。
【定期券の現物を支給する場合】
※定期券の現物を会社が支給するには労働組合と労働協約を締結する必要があり、労働組合のない企業ではできません。
就業規則・給与規程では、通勤手当の支給要件として「最も合理的で経済的な経路によるもの」との制限を設けます。
特にバス利用については、実際は利用していないのに申請するケースもあるため、「自宅と最寄駅の直線距離が2キロを超える場合のみ認める」といった支給基準を設けるとよいでしょう。
通勤経路が複数あり、所要時間が大きく変わらない場合、通勤定期代の安い方の経路を会社が指定する事も可能です。
万が一不正受給が発覚した場合には、過払分を遡って返金してもらうようにします。
この場合、賃金の過払いにあたりますので、賃金控除に関する労使協定の規定があれば、給与から過払い額を控除することができます。
返還請求の時効は民法が適用され、過去10年分まで遡って返還請求が可能です。
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人事・労務の知恵袋
- ワンポイントQ&A 通勤手当の不正受給
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投稿日:2013/01/18
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