厚生労働省より4月6日に「平成24年度地方労働行政運営方針」が公表されました。
この労働行政方針により、今年度の各都道府県での労働基準の行政指針が打ち出されていき、企業に対する行政指導内容も方向性が出されていきます。
主な運営方針より、今年度の行政指導の方向性を考えてみましょう。
平成24年度地方労働行政の重点施策
(1)東日本大震災からの復旧・復興支援及び円高への対応
関係機関との緊密な連携による雇用対策の実施、雇用機会創出への支援、震災や円高の影響を受けた者への雇用調整助成金等による就職支援、職業訓練の推進。
除染等業務従事者の放射線障害防止対策の徹底、復旧・復興工事災害防止対策の徹底を図る。
(2)総合労働行政機関として推進する重点施策
労働者が離職を余儀なくされた場合、賃金不払、解雇手続、再就職支援等の一連の手続き等について総合的かつ機動的な対応を図るほか、次世代育成支援対策、派遣労働者の保護及び就業条件の確保対策、外国人雇用対策等の取組を推進する。
(3)労働基準行政の重点施策
○ 労働条件の確保・改善対策
長時間労働の抑制や賃金不払残業の防止のための監督指導等の法定労働条件の確保、外国人労働者等の特定労働分野における労働条件の確保対策等を推進する。
○ 最低賃金制度の適切な運営
最低賃金の周知徹底を図るとともに、最低賃金引上げに向けた中小企業への支援を行う。
○ 適正な労働条件の整備
長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進等を推進する。
○ 労働者の安全と健康確保対策の推進
労働災害防止対策を安全衛生対策の最重点課題とし、労働災害多発分野における対策、メンタルヘルス対策及び過重労働による健康障害防止対策、石綿健康障害防止対策を推進する。
○ 労災補償対策の推進
労災保険の迅速・適正な処理、精神障害等事案及び脳・心臓疾患事案に係る適正な処理を行う。
(4)職業安定行政の重点施策
○ 雇用調整助成金を活用した企業の雇用維持努力への支援の実施、求職 者支援制度の推進
○ 若者の雇用対策の推進(新卒者・既卒者に対する就職支援、フリーター等の正規雇用化の推進)
○ 子育てする女性等に対する再就職の支援、母子家庭の母等の雇用対策の推進
○ 高年齢者雇用確保措置の未実施企業等に対する指導・助言、高年齢者等の再就職の援助・促進
○ 障害者の法定雇用率を未達事業主に対する雇用率達成指導の厳正な実施、障害特性に応じたきめ細かな支援の実施、障害者雇用促進のための税制上の優遇措置の拡充
○ 外国人の雇用対策の推進
○ 介護分野における雇用管理改善の推進
○ 地域雇用対策の推進
○ 地方自治体との連携による就職支援
○ 民間等の労働力需給調整事業の適正な運営の促進
○ 雇用のミスマッチ縮小等のための雇用対策の推進
○ 雇用促進税制の推進
(5)職業能力開発行政の重点施策
○ 地域のニーズに即した職業訓練の展開、求職者支援訓練の的確な推進等
○ 若者の就職促進、自立支援対策等
○ 障害者の職業能力開発の推進
(6)雇用均等行政の重点施策
○ 男女雇用機会均等法に基づく配置・昇進の性差別禁止に係る指導に重点を置く
○ 改正育児・介護休業法や次世代法の確実な履行確保を図るとともに、育児休業、短時間勤務制度等の両立支援制度を利用しやすい職場環境の整備を推進する。
○ パートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保及び正社員転換等についての雇用管理改善の取組を推進するため、パートタイム労働法に基づく適切な指導等及び紛争解決の援助等を行う。
指針の詳細は、別途資料で確認いただくとして、マークした点が主だった行政方針になると考えます。
昨年度に引き続き、長時間労働・賃金不払残業・年次有給休暇取得促進の監督指導に加え、法改正によるメンタルヘルス対策・育児短時間勤務制度の履行、定年延長、パートタイムの労働環境などが指針に加えらえています。
これら行政方針が自社に与える影響を考え、また対策が講じられていない場合には、今後の対策が必要となります。
労働基準監督署では、労働者からの申し立てによる監督指導を強化し積極的に行っています。
社員にいつでも見せられる就業規則=会社のルールとした上で、社員との関係性を良好にしていく事が求められています。
平成24年度地方労働行政運営方針(概要)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000027h0j-att/2r98520000027hqf.doc
平成24年度地方労働行政運営方針
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000027h0j-att/2r98520000027h20.doc
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- 人事・労務 今年度地方労働行政運営方針からみた労働基準行政
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投稿日:2012/04/11
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