労働政策研究・研修機構が行った「裁量労働制等に関するアンケート調査」より。

裁量労働制を導入した効果として、「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」(55.2%)や「従業員のモチベーションが向上した」(27.0%)を挙げた回答が多い。


裁量労働制が適用される労働者のうち、導入に「満足」「やや満足」が70.5%。「不満」「やや不満」(26.7%)のうち、具体的に不満な点としては、「労働時間が長い」(49.2%)、「業務量が過大」(46.7%)、「給与が低い」(43.0%)を挙げた回答が多い。

裁量労働制の適用者となった理由として、「仕事の裁量が与えられていることにより仕事がしやすくなった」、「自らの能力の有効発揮に役立つと思った」を挙げた労働者は「概ね期待どおり」の割合が高い(42.3%、38.7%)。
また、「仕事を効率的に進められるので労働時間を短くすることができると思った」を挙げた労働者では「あまり期待どおりになっていない」の割合が高い(44.9%)。

現行の裁量労働制について、「今のままでよい」との回答が71.3%、「変更すべき」との回答が25.5%ある。
一方、「変更すべき」とする事業場のうち、「一定以上の高い水準の年収が確保されるなら、労働時間規制を適用除外すべき」(47.5%)を挙げた回答が多い。


実労働時間の把握方法に関して、どのように行っているかについて、企画業務型裁量労働制については、「タイムカード・ICカード」(27.2%)、「自己申告制」(20.8%)、「PCのログイン・ログアウト」(10.0%)を挙げた回答が多く、専門業務型裁量労働制については「タイムカード・ICカード」(31.7%)、「自己申告制」(33.3%)、「PCのログイン・ログアウト」(6.1%)となっている。

企業からの視点では、裁量労働制を導入する事により、業務効率の向上と従業員モチベーション向上が図られたと感じている一方、裁量労働制が適用されている従業員が不満に感じている事として、長時間労働・業務量の増大に比較して給与が低いとなっています。

裁量労働制では、みなし労働時間が適用されるため、長時間労働になったとしても一定時間の労働時間とみなされる事から、こういった不満が出てくる事は否めません。

裁量労働制の適用に同意しつつも不満を感じながら就業している点について、制度の運用状況を定期的に確認し、必要に応じて制度内容を見直すなどが必要とされます。

裁量労働制等に関するアンケート調査
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000034821.pdf


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